今もマラソンに付きまとう給水トラブルの無念 大阪マラソンでは西山雄介が〝被害〟に

今もマラソンに付きまとう給水トラブルの無念 大阪マラソンでは西山雄介が〝被害〟に

【ベテラン記者コラム】2月22日に行われた大阪マラソンで、日本勢最上位を争うとみられていた西山雄介(トヨタ自動車)が序盤で遅れてしまい、2時間7分44秒で18位に終わった。

レース後、悔しそうな表情だった西山に話を聞くと、10キロの給水所で前にいたケニア選手が急に止まったため、体ごとぶつかってしまったという。なんとか走り続けたものの、ときおり腰のあたりに手を当てるしぐさもあり、失速。「15キロから20キロで徐々に股関節が上がらなくなってきてしまって、体自体は余裕あったんですけど、ペースメーカーにつけなくなった」と不完全燃焼の結果になってしまった。

この給水所でのアクシデントについては浦野雄平(富士通)も「僕も巻き込まれました」と明かしていた。立ち止まってしまったケニア人選手と同じテーブルの選手はぶつかってしまい、給水ボトルは全部なぎ倒され、転倒した選手も何人かいたという。この日はレース中に気温が17度を超す暑さだった。日本勢3番手の8位でMGC出場権を獲得できた浦野も「すこし影響はあった」と振り返る状況。給水が思うようにいかなかった選手には少なからぬ影響があっただろう。

今回の大阪マラソンは全身に100枚以上の磁気テープを貼った吉田響(サンベルクス)がマラソン初挑戦ながら8キロ手前からペースメーカーを置き去りにして独走したことが話題になった。その吉田もスペシャルドリンクを4度も取り損なったことも影響してか、脱水症状に陥って30キロ以降は急失速して34位に終わっていた。

マラソンといえば、給水でのトラブルがつきもの。1992年バルセロナ五輪での谷口浩美は給水所で後続選手に靴を踏まれて転倒。靴を履き直して走り出したが、8位に終わって「こけちゃいました」のコメントを残した。2013年のロンドンマラソンでは女子のトップを走っていた選手が給水所で車いす男子の選手に追突されて転倒したこともあった。2021年東京五輪の男子マラソンでは、フランス選手が給水テーブルに置かれていたコップを次々となぎ倒して最後の1個だけをつかむ〝事件〟があり、大炎上した。例を挙げればきりがないほどだ。

マラソンはトップレベルの選手だと出場するのは年に2、3レース。数少ない機会がアクシデントで不本意な結果に終われば無念のはずだが、前述の西山は大会新記録で優勝したイブラヒム・ハッサン(ジブチ)とは2分24秒差でフィニッシュ。「あきらめずに走り、なんとかまとめることができたのはよかった」と一息ついた。西山は昨年12月7日の福岡国際マラソンで日本勢最高の2位に入り、ロサンゼルス五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(2027年10月3日開催)の出場権を手にしている。「日本記録を狙いにいきたいので、海外のレースを視野に入れてやっていきたい」とすぐに次走へ気持ちを切り替えていたのはさすがだった。(牧慈)