スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
1月25日に行われた大阪国際女子マラソンで、今年も新たなヒロインが誕生した。
日本勢トップの4位でフィニッシュした矢田みくにだ。
マラソン初挑戦ながら、タイムは2時間19分57秒。日本歴代6位、さらに初マラソンの日本最高記録を更新した。
なかでも強く心に響いたのは、レース後の記者会見で見せた“涙”である。
約4か月前、初出場となった世界陸上東京大会。1万メートルで世界に挑むも結果は20位。
「打ちのめされた」大会だった。
「今でも世界陸上のことを話すと悔しくて涙が出てくる」という矢田の言葉通り、その時の悔しさが
よみがえり、矢田の頬に涙が伝った。
その挫折は、中学時代に楽しみながらがむしゃらに競技へ打ち込んでいた頃の初心を呼び覚まし、
再び矢田の心に火をつけたのだ。
「初心という気持ちを常に忘れず、ロス(ロサンゼルス)に向かって練習をしていきたい」
矢田みくには、目標とする2028年ロサンゼルス五輪に向けて大きな一歩を踏み出した。
■カメラマンプロフィル
撮影:西村尚己
1969年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。
人間味あふれるアスリートの姿に魅せられ、学生時代にスポーツ写真の世界と出会う。
大学卒業後は、国土交通省に勤務しながらアマチュアカメラマンとして活動するも
どうしてもプロの世界で挑戦したいという想いが募り、2016年にアフロスポーツに転職。
現在は国内外のスポーツを精力的に撮影し、人間の情熱や鼓動、匂いなど五感で感じとれる作品づくりに励む。
2007年 APAアワード写真作品部門 奨励賞
2013年、2015年 写真新世紀 佳作 ほか
マラソン 矢田みくに『涙』【アフロスポーツ プロの瞬撮】


