【箱根駅伝 名ランナー列伝】設楽啓太・設楽悠太(東洋大学)〜後編〜兄弟で主将・副将を務めた最終学年は日本初の「10000m27分台兄弟」となり箱根駅伝の王座を奪還

【箱根駅伝 名ランナー列伝】設楽啓太・設楽悠太(東洋大学)〜後編〜兄弟で主将・副将を務めた最終学年は日本初の「10000m27分台兄弟」となり箱根駅伝の王座を奪還

箱根路を沸かせた韋駄天たちの足跡連載09:設楽啓太・設楽悠太(東洋大/2011〜14年)後編

いまや正月の風物詩とも言える国民的行事となった東京箱根間往復大学駅伝競走(通称・箱根駅伝)。往路107.5km、復路109.6kmの総距離 217.1kmを各校10人のランナーがつなぐタスキリレーは、走者の数だけさまざまなドラマを生み出す。

すでに100回を超える歴史のなか、時代を超えて生き続けるランナーたちに焦点を当てる今連載。今回は東洋大黄金時代を支えた兄・啓太、弟・悠太の設楽「最強ツインズ」の後編(全2回/前編)。ともに2度目の総合優勝に貢献した最終学年のコメントを中心に紹介する。

連載・箱根駅伝名ランナー列伝リスト

【切磋琢磨でトラック&駅伝で活躍】

 2012年度の三大駅伝ですべて2位だった東洋大。箱根駅伝を終えた翌日、兄・啓太が主将、弟・悠太が副将に任命された。

「自分は主将ですけど、走りでしかチームを引っ張ることができません。走りでチームにいい影響を与えたいと思いました」(啓太)

「正直、自分が選ばれるとは思っていませんでした。この1年、やっていけるのかな、という不安もありましたが、『ほかの4年生が言葉でまとめてくれるから、走りでチームを引っ張っていけばいい』と(酒井俊幸)監督に言われて、競技への気持ちが高まりましたね」(悠太)

 ラストイヤーを迎えた設楽兄弟は、決意を新たにトラックシーズンから輝きを放った。

 5月のゴールデンゲームズ10000mで兄・啓太が27分51秒54(当時・日本人学生歴代6位)、弟・悠太が27分54秒82(同10位)をマーク。日本人の双子としてはもちろん、兄弟というくくりでも初となる「ダブル27分台」を達成した。関東インカレの1部10000mは悠太が初めて兄に先着して、日本人トップの3位に食い込むと、啓太は5位。大激戦種目で3年連続となるダブル入賞を果たした。

 当時、ふたりはトラックシーズンをこう振り返っている。

「今季は例年より多くの試合に出場しました。そのなかで一番の目標が『10000m27分台』だったんです。それをゴールデンゲームズで達成できたので、トラックシーズンは自分なりによい結果だったと思います。日本では初となる双子での27分台は今までで一番うれしかったですね」(啓太)

「僕も4月は思うように走れなかったですけど、ゴールデンゲームズで揃って27分台を出せたのはうれしかったです。8000mあたりできつくなって、2~3秒離されたんですけど、啓太がまだペースメーカーについているのを見て、立て直すことができました。監督からも『27分台を出せ』と言われていたので、目標を達成できてよかったです」(悠太)

 最後の駅伝シーズンは「駅伝3冠」を目標に掲げて取り組んだ。しかし、出雲駅伝(悠太が3区3位、啓太が6区2位)と全日本大学駅伝(悠太が1区2位、啓太が8区5位)は駒大に完敗。設楽兄弟は区間賞を獲得できず、東洋大は前年度から5大会連続の2位にとどまった。