夢と感動を与えるだけでは…スポーツにこれまで以上に求められる「社会還元」 増田明美 スポーツ一刀両断

引用元:産経新聞
夢と感動を与えるだけでは…スポーツにこれまで以上に求められる「社会還元」 増田明美 スポーツ一刀両断

広がった雪雲の下で解散風が吹き、27日公示、2月8日投開票の日程で衆院選が行われることになった。各自治体の選挙管理委員会職員は、日程が決まるまでやきもきしたことだろう。それは週末に開催されるスポーツイベントの担当者も同じだっただろう。

同日開催予定だった静岡県富士宮市の駅伝大会、岡山県高梁市のマラソン大会は中止を発表した。他にも、2月8日は全国各地でマラソンや駅伝の大会が多数予定されている。開閉会式の会場が投票所や開票所になっていたり、人員確保に交通規制、警備の問題があったりと、主催者は判断に苦慮していると思う。

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解散総選挙は突然やってくるからしようがないとしても、長い歴史に幕を下ろすマラソンや駅伝が近年相次いでいる。エリート選手対象の大会では、76年の歴史を誇ったびわ湖毎日マラソンが2021年大会を最後に大津市での開催を終え、大阪マラソンに統合。福島市で開催されていた東日本女子駅伝も、24年の第39回大会で終了した。

その流れは市民マラソンでも顕著で、特に新型コロナウイルス禍をきっかけに急増。ひろしま国際平和マラソンは毎年約1万人の参加者を集めていたが、コロナ禍で3年間中止されたまま、復活することはできなかった。福岡県直方・鞍手地区で80年続いた直鞍一周駅伝競走大会は、25日の大会をもって終了した。

大会が終了する理由には、近隣で新たなマラソン大会が始まったり、再開発などに伴いコース周辺の環境が変わって交通規制が難しくなったりと、外部要因もある。加えて財源の問題を抱えている大会が多い。

公道を使って行われる大会のほとんどは自治体主催だ。地域のつながりやにぎわいを創り、住民の健康増進、子供たちの体力づくりにも寄与してきた。それが大規模都市型マラソンが林立し、コロナ禍以降、地方で開催される大会は参加者数が減少。一方、物価高騰の影響で開催費用はかさみ、赤字体質を解消できない大会が多いのだ。

受益者負担を考えれば、参加料を増額すればいい。東京マラソンは国内一般ランナーの参加料を昨年の1万6500円から1万9800円に値上げした。でも、地方の大会ではそう簡単に値上げするわけにもいかない。頭を抱える主催者は多いと思う。