【高校駅伝】監督と集団転校の鳥取城北「正解だったのかな…」衝突の先にあった「一丸の全国4位」

【高校駅伝】監督と集団転校の鳥取城北「正解だったのかな…」衝突の先にあった「一丸の全国4位」

 ◇全国高校駅伝 男子7区間42・195キロ(2025年12月21日 たけびしスタジアム京都発着)

 男子全国高校駅伝が21日に行われ、集団転校を経験した鳥取城北(鳥取)は、前回出場23年の30位から大きく順位を上げ、同校最高となる4位に入った。県勢では92年2位の由良育英以来33年ぶりの入賞(8位以内)となった。

 昨年2位の大牟田(福岡)でヘッドコーチだった赤池健監督が今年4月に鳥取城北に赴任。すると、大牟田の部員18人が鳥取までついてくる異例の態勢で新チームが始動した。

 1区の本田桜二郎(3年)は「転校直後は人間関係に苦労しました。学校でも気まずい雰囲気が流れていたし、“転校して正解だったのかな…”と思った」と悩める日々を過ごした。

 全国上位の力がある大牟田の元選手と、鳥取城北で転校生を迎え入れた選手の間には力の差があった。今大会の1カ月前にも意見の食い違いで衝突した。本田は「衝突して悩んで、それでも前に進んできた。駅伝が近づき、最後に全員が一つになることができた」と振り返る。数々の障壁を乗り越え、絆を深めて迎えた本番だった。

 従来から鳥取城北にいた選手の中で唯一、2区の山根爽楽(3年)が出場できた。多くの選手が大牟田出身の選手との実力差に苦しんできた中、「このまま終わってたまるかという鳥取城北の意地があった」と成長につなげた。

 「集団転校を聞いた時は“まじか…”と思った。この一年間、お互いに苦しかったけど、全員でやってきたことは、どの学校にも負けないと思います」

 出走前、1区の本田は赤池監督から腕にマジックで「真実は一つ」と書かれた。鳥取出身の漫画家・青山剛昌が描く「名探偵コナン」の決め台詞。福岡出身の選手たちも、鳥取代表の誇りを胸に都大路を走った。

 「一番は赤池先生に感謝を伝えたいです。生きてきた18年間で最も濃い、かけがえのない一年になりました。赤池先生に付いてきて、間違っていなかったと思います」

 2区の山根は、全国屈指の練習環境を経験したことで新たな目標が生まれた。「大学では箱根駅伝を走りたいです」。

 選手たちは苦難を乗り越え、唯一無二の絆を築いた。赤池健監督は「部員56人が1人も欠けずに今日を迎えられたことは、他の学校にはない凄いこと。最初から一緒だったかのような一丸のチームになった」と選手たちの努力に感謝した。