東京マラソンは1日、東京都庁前から東京駅前までのコースで行われ、男子の日本勢は日本記録を持つ大迫傑(すぐる)(リーニン)が2時間5分59秒で12位に入ったのが最高だった。
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残り5キロ、日本人トップ争いは新旧日本記録保持者に絞られた。戦前の期待通りの構図。大迫は思った。「盛り上がっているんだろうな」。40キロすぎ、一度前に出た鈴木が「きつそう」と察すると、勝負を決めにいった。2人に混ざって集団を形成していた海外選手につき、その差を広げた。「ちょうどいいタイミングでスパートしたのでそれに乗っかった。今回は僕の方が耐久力があった」と汗を滴らせながら振り返った。
東京マラソンは平坦(へいたん)といわれるが、大迫に言わせれば「難しい」。橋での細かなアップダウン、ついついスピードを出したくなる最初の下り…。レースは季節外れの暑さも相まって、サバイバルの様相を呈した。「上げるというよりは、落ち幅をどれだけ小さくするか」。粘り切り、日本人トップでフィニッシュした。
世界へ挑んできた34歳。一度は引退した身、五輪や日本記録といった名誉に、もう心は奪われない。「自分自身の実力はどこまで伸ばせるかな、どこまでやれるかなみたいな、そういう楽しみ」。今回のモチベーションは、これまでのキャリアで最も短いという約3カ月スパンでの出走だった。前世界記録保持者のキプチョゲ(ケニア)らが昨年、2カ月余という短期間で連戦したのを見て「靴もトレーニングも進化している。僕も走れるのではないか」と、日本記録を出した12月のバレンシア・マラソン後に決断した。
一昨年から心拍数などのデータから疲労度合いを見て練習を見直してきた成果もあり、タイム的には及第点。ただ、「体的には可能かもしれないけど、心と体をしっかりとフレッシュな状態に持っていくには、(レース間隔は)半年ぐらいはあった方がベストかな」と新たな学びを得た。自らの可能性を追い求める日々は続く。(石原颯)
新旧「日本記録保持者対決」制した大迫傑「僕の方が耐久力があった」 東京マラソン
引用元:産経新聞


