別大マラソン、予想外のスパートに日本勢が追いつけなかった理由

引用元:毎日新聞
別大マラソン、予想外のスパートに日本勢が追いつけなかった理由

 ◇第74回別府大分毎日マラソン(1日、大分市高崎山・うみたまご前―ジェイリーススタジアム)

 またも勝負勘で課題を残した。

 今大会に出場した海外招待選手の自己記録は2時間6~8分台。吉田祐也、黒田朝日ら2時間5~6分台前半が自己ベストの選手たちに勝機は十分あった。しかし、ここ最近の大会と同様、終盤で海外勢に引き離される展開に終わった。

 優勝したゲタチョウ・マスレシャが仕掛けたのは、33キロ過ぎだった。日本陸上競技連盟強化委員会の高岡寿成シニアディレクターは「少し早い段階で勝負がついたな、と。(日本選手は)想定外だったのでは」と語る。

 マスレシャは30~35キロで唯一、14分台をマークした。明らかなスパートについて行けなかった理由を吉田はこう振り返る。

 「最後まで自分のリズムで刻んで走りきることが大事。徐々に追いつけばいいと思っていた」

 35キロ過ぎから、強い向かい風が選手を襲った。悪条件でマスレシャに追いつくことはできず、日本選手たちは結果的に勝負どころを見誤った。

 「追いつけなかったのは力不足」と吉田が言えば、終盤に盛り返して5位に入った33歳の井上大仁も「ペースが上がったときの対応力が今はない」と口にした。

 3回目のマラソンと経験が豊富とは言えないマスレシャに敗れたのは、タイムだけの問題ではない。

 元日本記録保持者の高岡氏は「マラソンでの『流れ』をつかめるかは、多少なりともセンスが必要だ」と説く。速いだけでなく、クレバーなランナーになることも日本選手には求められている。【岩壁峻】