25日に行われた「第45回大阪国際女子マラソン」(産経新聞社など主催、奥村組協賛)で、矢田みくに(エディオン)は2時間19分57秒で4位だった。
ゴールを駆け抜けた矢田から、笑顔と涙があふれた。初マラソンで日本人トップの4位。国内レースでの2時間20分切りは、前田穂南(天満屋)以来2人目という快挙に、26歳は「うれしい。(記録の)実感はわいていないけど、残り3キロで計算したら『切れるかも』と思った。あとは、最後まで力を抜くことなく走った」と話した。
先頭集団からマラソン実力者の松田瑞生(ダイハツ)や上杉真穂(東京メトロ)らが次々と遅れる中、ペースメーカーが外れた30キロ過ぎには先頭へ躍り出た。海外選手の仕掛けにも何度も対応し、36キロ過ぎにはスパートも。40キロ付近でステラ・チェサン(ウガンダ)に抜け出されたが、2位集団に食らいついた。何度も離されそうになったが、「トラックの大会でも抜きつ抜かれつ。1万メートルのレースをフラッシュバックさせて、食らいついた」。最後まで海外選手と競り合った。
「どうせならいけるとこまで」。設定タイムが2時間20分以内の第1集団で走るのを決断したのは、レース3日前だった。沢栁厚志監督は「初マラソンだからできるチャレンジ。本人の考えを尊重してよかった」と笑顔をみせた。
昨年9月、世界選手権東京大会1万メートル代表として世界に挑んだ。結果は20位。実力不足に打ちのめされた。そこから、周囲に自分の弱さを意識的に見せた。すると、陸上を始めた中学校のときと同じように「走るのが楽しい。強くなりたい」と原点に返れた。「自分の当たり前を変えよう」。憧れていたマラソンへの挑戦を決意した。
本格的なマラソン練習は、昨年11月の全日本実業団対抗女子駅伝後だ。今大会までの期間が短く、本人も「不安要素だった」。しかし、練習を始めると新たな発見の連続で楽しさが上回った。昨年末の鹿児島・徳之島合宿では、日程が重なった世界選手権マラソン代表の安藤友香(しまむら)と一緒に40キロを走った。「こんなにリラックスしていいんだ」。マラソンで走るコツをつかんだ。この日も、レース折り返し以降のアップダウンは「安藤さんが前にいると思って、走った」という。
MGC切符も獲得した。夢ではなく目標と位置付けるロス五輪へ向け「初マラソンだからこの記録が出た。初心の気持ちに戻れたからこの記録が出たとも思う。初心の気持ちは忘れず、ロスへ向かって練習していきたい」と話した。(田中一毅)
最後まで海外勢と競り合った矢田みくに「1万をフラッシュバック」 大阪国際女子マラソン
引用元:産経新聞


