青山学院大「黒田朝日の衝撃走」への布石は飯田翔大が「花の2区」で打ち込んでいた

青山学院大「黒田朝日の衝撃走」への布石は飯田翔大が「花の2区」で打ち込んでいた

第102回箱根駅伝を大会新記録で制し、2度目の3連覇を成し遂げた青山学院大。5区・黒田朝日(4年)の歴史に残る走りのインパクトは凄まじかったが、その黒田が当初、務めると見られていた花の2区に起用されたのが飯田翔大(2年)だった。

区間順位こそ10位だったが、チーム順位を5つ上げる走りを見せた飯田はいかに大エース・黒田に代わり、エース区間の役割を果たしたのか。そこに至るまでの歩みも含めて、振り返る。

【「5区・黒田」構想を実現したMARCH対抗戦の快走】

 今年の箱根駅伝で青山学院大は10時間37分34秒の大会新記録を打ち立て、史上初となる2度目の3連覇を果たした。レース前は混戦予想も、蓋を開けてみれば、青学大が往路、復路、総合の完全優勝。2位の國學院大に2分30秒以上の大差をつける圧勝だった。

 その最大の功労者は、5区で驚異的な走りを見せた"シン・山の神"こと黒田朝日であることに異論はないだろう。

 黒田は過去2大会、各校のエース格が集う2区で好走しており、今回も2区が最有力と見られていた。

「黒田は1年生の時から山上り候補でしたが、1年生の時は故障で(起用できず)、2、3年の時は若林(宏樹)がいましたので2区で起用しました。4年目はシーズン当初から黒田の起用も考えてはいましたが、やはり駅伝には流れがあるので、ほかの選手の成長が見られない場合には2区しかないと思っていました」

 原晋監督も『5区・黒田』というプランを思い描きながらも、チーム状況を鑑みて、3年連続の2区起用に傾きつつあったようだ。

 ところが、チームの課題だった"ほかの選手の成長"があった。それが顕著に見られたのが11月22日に開催されたMARCH対抗戦2025だった。このレースでも黒田は圧巻の走りを披露し、10000mで27分37秒62という青学大記録を打ち立てた。そのほかにも、2年生の折田壮太が初の10000mで27分43秒92と黒田に次ぐ好タイムで走り、宇田川瞬矢(4年)、飯田翔大(2年)、佐藤愛斗(2年)も27分台の自己ベストをマークした。

「MARCH対抗戦での27分台、12月の最終選抜強化合宿と来て、10日前からのみんなの状態を見極めた時に、黒田を5区に回しても、2、3、4区で大きく引き離されることなくレースが進められると思いました」

 最終決定は10日前あたりだったという。このようにして、原監督がかねてより温めてきた『5区・黒田』が実現した。

 その黒田に代わって、花の2区を任されたのが2年の飯田だった。