春日部女子、サングラス活用で快走 都大路で着用広がるか

引用元:毎日新聞
春日部女子、サングラス活用で快走 都大路で着用広がるか

 21日に京都市で開催される女子第37回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)に、北関東ブロック代表として埼玉県立春日部女子が初出場を果たす。これまでその快走を支えてきた道具の一つが「サングラス」だ。選手全員がレースで着用して疾走する姿は異彩を放ち、周囲の注目を集める。チームはなぜ着用を始めたのか。

 12月上旬、晴天下の校内グラウンドでは、選手ほぼ全員がサングラス姿で練習に励んだ。11月に同県熊谷市で行われた関東高校駅伝大会でも全区間の選手がサングラスを着用し、全国行きの切符をつかんだ。

 約5年前に着任した照沼直紀監督(56)は従来、選手たちに「目をしっかりと守りなさい」とアドバイスしてきた。監督は30代半ばまでトライアスロンに長く打ち込み、サングラスをかけるのが当たり前の舞台で戦ってきた。「目からくる疲れなのか、着用しないと疲労感が強くなり、それが競技に影響した」と語る。

 今では陸上競技の長距離界でもサングラス着用が浸透し、実業団や大学生ランナーの着用者も比較的、多くなっている。しかし、なぜかまだ高校生にはそれほど浸透していない――。

 照沼監督はそんな素朴な疑問から選手たちに着用を勧めるようになったと振り返る。学校としてのルールなどは設けず、あくまで個人の自由な判断に委ねている。指定のメーカーもなく、選び方は自由。当日の着用の有無も天候などを踏まえ各自が判断する。

 これまで着用してきた選手たちは「太陽のまぶしさがなくなって体感が涼しくなる」=中村うら蘭(ら)選手、「周囲の視線が気にならなくなる。集中したいときに集中できる空間が作れる」=荒井夏希主将=などの「効果」を実感しているようだ。

 サングラス着用と疲れの軽減などとの因果関係について、みさき眼科クリニック(東京)の石岡みさき院長は「データで明らかにされているわけではない」としつつ、「結膜や角膜の炎症の原因になるなど紫外線が目に良い影響をもたらすことはない」として陸上選手への着用を勧める。

 同校は今年で創立115年目を迎える伝統校で、今大会出場校の中で唯一の公立女子校でもある。照沼監督は「伝統ある公立勢の『カスジョ』が(率先して)着用することで、他校でも導入しやすくなるのでは」と「仲間」の広がりに期待している。【板鼻歳也、萩原佳孝】