引用元:毎日新聞
東京デフリンピック第9日は23日、駒沢陸上競技場で陸上男子200メートル決勝があり、山田真樹選手(ぴあ)が銀メダル、佐々木琢磨選手(仙台大職)が7位だった。
単なるライバル関係ではない。「一緒のお墓に入ってもいい」
山田選手は佐々木選手の存在を、そう表現する。「人生のパートナー」とさえ言う。そんな2人が自国大会の200メートルで激突した。
デフ陸上の短距離部門で長年競い合い、世界トップクラスの成績を残してきた。
28歳の山田選手は2017年トルコ大会の200メートルで金メダルを獲得した。31歳の佐々木選手は前回22年ブラジル大会の100メートルを制し、「山田選手が抱えていた(王者の)孤独感を知った。自分が山田選手に刺激を与える存在になる」と誓った。
苦しいときも、楽しいときも同じ時間を過ごし、語り合ってきた。競技場を離れても2人はスマートフォンのゲームで競い合う。
私生活では最近、ともに父親になった。山田選手は「佐々木選手に子どもが生まれて、とてもうれしい」と我が事のように喜んでいた。
今大会、山田選手は400メートルで金メダル、佐々木選手は100メートルで銅メダルを獲得して迎えた決戦。スタートから勢いよく飛び出した山田選手は、最後まで先頭争いを繰り広げた。
1位のエストニア選手に0秒07届かなかったが、自身が持つ日本記録を更新した。200メートルが本命種目ではない佐々木選手も7位でフィニッシュし、「諦めず走り切れた」と満足げだった。
レース直後、取材エリアで2人はハイタッチを交わし、強く抱き合った。
「心からおめでとう」。佐々木選手が笑顔で祝福のメッセージを伝えると、山田選手も「一緒に競技ができて幸せ」と喜びをかみしめた。【川村咲平】


