育休取得のマラソン、西山雄介さん「競技と育児は両立できる」と実感 所属先が制度構築 国際男性デー

引用元:産経新聞
育休取得のマラソン、西山雄介さん「競技と育児は両立できる」と実感 所属先が制度構築 国際男性デー

アスリートだって育休を取っていいはずだ-。陸上の2022年世界選手権オレゴン大会男子マラソン代表の西山雄介さん(30)はこの春、第2子の誕生をきっかけに1カ月間の育休を取得した。所属するトヨタ自動車での男性アスリートの育休取得は初めて。「競技優先で子供の成長を見ないのが当たり前になっている。男性アスリートも育休をもっと取ってほしい」。自身の先例をきっかけにスポーツ界の変革を願う。

■第1子の時は取らず「ひっかかっていた」

「競技をしながら育休も取れないでしょうか」

2人目を授かった昨年春、職場の上司に相談した。令和4年11月に第1子の長女が誕生した際、上司から育休取得の打診があったが、この時は取らなかった。「育休を取ってしまうと競技ができなくなるイメージがどうしてもあった。でも、ずっと引っかかっているところがあった」。

西山さんは朝練習後の午前9時から午後2時まで同社の田原工場で主にデスクワーク。その後、再び練習する。育休を取得しても練習に参加できるのか、大会に出場していいのか、それすら分からなかった。

会社は西山さんの思いを受け、アスリート向けの社内制度構築へ動いた。運動部を統括するスポーツ推進部とのミーティングを行い、西山さんの要望もくんで新制度を作った。練習の位置づけを明確化し、金銭面も含め、アスリート特有の問題が整理された。

■自宅周辺で練習、試された1カ月

「初めてになるので、まずは合宿と試合がない期間に」と第二子の長男が誕生した4カ月後の今年4月、1カ月間取得した。練習参加は監督らと相談して決め、週2~3回の「ポイント練習」と呼ばれる強度の高い練習はチームで行い、その他の練習は個人に委ねられた。

子供が起きる午前7時には自宅にいられるよう同5時~5時半に朝練開始。午後は昼寝の隙を狙って自宅周辺で走り込んだ。指導者の目が届かない練習は「どれだけ自分に厳しくできるかが試された」と振り返るも、競技と育児は「両立できる」と実感した。

育休期間は子供の成長を直に感じる代えがたい経験となった。長距離選手は遠征や合宿が多い〝出張族〟。西山さんも毎月のように合宿があり、盛夏やレース前になると、1カ月家を空けることもある。