◆学生3大駅伝第2戦 全日本大学駅伝(2日、名古屋市熱田神宮西門前スタート~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)
駒大が5時間6分53秒で2年ぶり最多の17回目の優勝を飾った。2分1秒差の2位に中大、2分35秒差の3位に青学大が続いた。前年覇者で今季開幕戦の出雲駅伝(10月13日)を制した国学院大は2分52秒差の4位だった。早くも2戦が終了し、残るは第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)だけ。最終決戦まで2か月もあるが、勝負の行方を予想する。
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今季、伊勢路は駒大が完勝、出雲路は国学院大が快勝。昨季の箱根路は青学大が圧勝した。直近の学生3大駅伝を制した3校に加え、スピードを生かした爆発力がある中大が、第102回箱根駅伝の有力な優勝候補に挙がるだろう。青学大の原晋監督も「駒大、国学院大、中大、そして、青学大が4強でしょう」と語る。
4強にはそれぞれ持ち味がある。
駒大は佐藤圭汰、山川拓馬、伊藤蒼唯、帰山侑大の4年生を中心に戦う。山の特殊区間には強みを持つ。
上りの5区は山川が1、3年時に区間4位と安定した走りを見せた。下りの6区は伊藤が1年時に区間賞、3年時に区間2位と好走した。特に前回、56分47秒の驚異的な区間新記録をマークした青学大の野村昭夢(現・住友電工)に次ぐ区間2位ながら57分38秒の歴代5位の好記録で山を下った伊藤は区間記録を更新できる力を持つ。山川は2区、伊藤は3区など、両選手ともに平地の主要区間を担うこともできるため、大八木弘明総監督と藤田敦史監督の采配が注目される。
「7割の仕上がり」(藤田監督)ながらも伊勢路のエース区間を区間3位で走った佐藤は、やはり、ポテンシャルが高い。箱根路に向けて調子が上向くことが期待される。故障だけが怖い。
駒大は前回の箱根メンバー10人中9人残っていることも大きな強みだ。
国学院大の最大の強みは分厚い選手層だ。主将の上原琉翔(4年)、エースの青木瑠郁(4年)、マラソン日本人学生歴代8位(2時間8分50秒)の高山豪起(4年)、新エースの野中恒亨(3年)、出雲4区区間新の辻原輝(3年)。主力の5選手は往路の主要区間でライバル校のエースたちと対等に戦える力を持つ。昨季まで3年連続で2区を担った平林清澄(現ロジスティード)の穴は大きいが、5本柱の全員の成長で十分に埋められる。伊勢路で不調だった青木、辻原は箱根路では本来の力を発揮することが求められる。
国学院大は、箱根駅伝で前々回9区7位、前回10区3位の吉田蔵之介(3年)をはじめ、復路を担う中間層の人材も豊富。今季の学生3大駅伝でデビューした尾熊迅斗、飯国新太、浅野結太ら2年生の新戦力も台頭している。
最大のポイントが山上りの5区だ。前々回は上原、前回は高山が走ったが、それぞれ区間17位、14位と苦戦。「上原、高山は平地の主要区間で頑張ってもらいます。5区の候補は下級生に3人います。戦えるめどは立っています」と前田康弘監督は明かす。5区を区間5位以内でまとめれば、悲願の箱根路初制覇が見えてくる。
青学大は、マラソン日本学生記録保持者(2時間6分5秒)の黒田朝日(4年)という大エースの存在が心強い。3年連続で2区を走れば、区間新記録の更新も期待できる。上りの適性があり、走力も抜群の黒田朝日が5区に回った場合「4代目・山の神」を襲名する可能性も秘める。黒田朝日を支える準エース格の小河原陽琉(2年)、塩出翔太(4年)の走りが重要になる。飯田翔大(かいと)、折田壮太、安島莉玖、黒田朝日の弟の然ら2年生のさらなる成長も3連覇のためには欠かせない。
「この11年で8勝。箱根駅伝を勝つためのノウハウがあります」と原監督は胸を張って話す。毎年1月2日、3日にピークを合わせる指揮官の手腕は青学大のストロングポイントだ。
中大は、前回の箱根駅伝では1区の吉居駿恭(4年)のロケットスタートから5区途中まで首位を快走した。前回2区9位の溜池一太(4年)、同3区区間賞の本間颯(3年)、同4区9位の白川陽大(4年)と先頭を走り切った経験者が残っていることは大きな強みだ。前回7区7位の岡田開成(2年)がエース級に成長したことも大きい。上りの走りに適性を持つ溜池が5区に回り、岡田が2区を担うことも可能だろう。
中大は箱根駅伝で最多の14回の優勝を誇るが、最後の栄冠は、ちょうど30年前の1996年までさかのぼる。現チームの藤原正和監督、選手にとって、優勝は未体験ゾーン。前回のような一気呵成(かせい)の勢いを出せるか、あるいは、経験不足に苦しむか。それとも、伝統という目に見えない力が働くか。出雲駅伝9位、全日本大学駅伝2位という結果が示すように、4強の中で、最も上振れも、下振れもする可能性が大きいチームだろう。
今季好調のエース山口智規(4年)、「山の名探偵」工藤慎作(3年)、スーパールーキー鈴木琉胤(るい)の3本柱を擁する早大も強力。ただ、4強に比べると、やや、選手層が薄いか。
駅伝巧者の創価大と帝京大、斎藤将也(4年)とヴィクター・キムタイ(4年)というダブルエースを擁する城西大も最大限の力を発揮すれば、優勝争いに加わる力を持つ。
原監督は「4強に大きな力の差はない。結局、大一番で力を発揮したチームが勝ちます」と話す。まさに、その通りで、逆も、しかり。箱根駅伝直前に、インフルエンザの集団感染などトラブルが発生すれば、4強といえどもシード権(10位以内)争いに巻き込まれるだろう。
箱根路の決戦まで、ちょうど2か月。駅伝ファンは心躍る日々が、選手と監督ら関係者はしびれる日々が続く。(箱根駅伝担当・竹内 達朗)
【全日本大学駅伝】箱根展望 青学大の原晋監督「駒大、国学院大、中大、そして、青学大が4強でしょう」
引用元:スポーツ報知


