引用元:産経新聞
8日の名古屋ウィメンズマラソンでは、6人が2028年ロサンゼルス五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(27年10月)の出場権を手にした。中でも、悲願の切符となったのが大森菜月(ダイハツ)だ。2時間23分45秒で日本人3番手の5位。31歳で初めてつかんだ挑戦権に「あきらめなかった自分を誇りに思う」と涙があふれた。
日本記録保持者の前田穂南(天満屋)ら有力選手が脱落する中、30キロまで先頭集団で快走。しかし、終盤は足がつり、優勝争いには絡めず「トップ選手との差を痛感した」。それでも「呼吸は上がってはいなかった」と自己ベストを1分51秒更新した。
大阪薫英女学院高出身。立命大では、富士山女子駅伝(全日本大学女子選抜駅伝)4連覇に貢献するなど駅伝やトラックで活躍した。しかし、ダイハツ入社後は故障や貧血などに苦しんだ。「大学や高校の後輩が活躍する姿が悔しかった。1人だったら辞めていた」。周囲に支えられてきた。
トレーナーらの協力で走りの技術を研究した。ご飯は毎食300グラム、補食も欠かさず、毎日体重をチェック。マラソンに対応できる体を作った。「5年ぐらいかけて、やっと点と点がつながってきた」。苦難の末のMGC切符だった。
きっかけもあった。今年1月の大阪国際。2時間20分切りを想定した第1集団のペースメーカーをハーフまで務めた。自己記録を上回るペース設定だったが仕事を完遂した。「ペースを作るのは力がないとできない。自信になった」。
目標はロス五輪代表。MGCは初出場だが、「私も31歳でチャンスは残り少ない。ブレずに目指したい」。苦労人の下克上に期待だ。(田中一毅)


