昨年は陸上世界選手権が34年ぶりに東京で開催された。国立競技場が連日、満員の観客であふれ、改めて陸上の魅力を教えてくれた。女子マラソンでは前回の大阪国際女子マラソン(産経新聞社など主催、奥村組協賛)で2位に入って代表入りした小林香菜選手(大塚製薬)が7位入賞を果たし、今後につながるレースをみせた。今秋には愛知・名古屋アジア大会があり、再び自国でスポーツのビッグイベントが開催される。世界選手権東京大会の熱狂をどのように今後につなげ、マラソン界もロサンゼルス五輪に向けた強化を進めていくのか。昨年就任した日本陸上競技連盟の有森裕子会長に話を聞いた。
いろんなパターンのレース経験を
--前回の大阪国際での小林選手の活躍、そして、世界選手権で7位に入賞した走りをどのように見たか
有森 大阪国際の走りは実業団選手としての劇的なデビューだったと思います。もちろん、それは学生時代から走り込んでいた基礎があって、実業団に入ってから鍛えてきたのが武器となっていました。独特のピッチ走法が新鮮だったので、周りの選手にもいい刺激になったと思います。彼女にとって東京での世界選手権が初めての世界大会でした。私も1991年の世界選手権東京大会で初めて世界の舞台を走った経験がありますが、自国開催で気負いや難しさもあったでしょう。そんな中で、小林選手の走りは大阪国際から東京に向けて、しっかり鍛錬を積んだのだろうと感じました。筋力もついていましたし、ピッチ走法はペースがいきなり落ちることなく淡々と走れるので、彼女の強さも生かせたのではないかと思います。
--今後の小林選手に期待したいこと、また日本人選手が世界で戦うために感じたことは
有森 世界大会でのアフリカ勢の走りは序盤が遅いペースでも決して前に出ることはなくて、最後にペースを上げるパターンが定着化しています。小林選手はまだまだ伸びしろがあることを念頭に置いて言うと、決して7位で喜んでほしくはありません。さらに上のレベルで、勝つことにこだわりを持つためには、レース展開への順応性を高めていくことが大事になります。そのためには、海外レースを含めて、いろんなパターンのレース経験を積んでほしい。2時間20分を切っていない選手がどうやってアフリカ勢のペース変化についていくかの練習をしないといけない。ときにはつらいレースもあるでしょうけど、さまざまな経験をしながら、次を目指してほしいですね。
--世界選手権では女子20キロ競歩で藤井菜々子選手(エディオン)が銅メダルを獲得しました。26年はアジア大会も自国で開催されますが、夏場のレースで参考になったことは
「2時間20分の壁なんてない」 日本陸連・有森裕子会長、大阪国際での積極レースに期待
引用元:産経新聞


