【箱根駅伝2026】黒田朝日の圧倒的強さとメンバーの経験不足――青学大はいかにして戦うのか?

【箱根駅伝2026】黒田朝日の圧倒的強さとメンバーの経験不足――青学大はいかにして戦うのか?

前編:青山学院大、9度目の総合優勝へのシナリオ

過去11大会で8度の箱根駅伝総合優勝を果たしてきた青山学院大学。前回の優勝メンバー6名が卒業した今季は出雲駅伝、全日本大学駅伝で勝利をつかむことはできなかったが、学生界屈指の強さを誇る黒田朝日を中心に、今季も高い総合力を誇ることは間違いない。

一方で不安要素は例年以上にある。他校との差を広げてきた山区間、駅伝における経験不足……これまでもそうしたマイナス要素を走りで覆して結果を残してきたが、果たして今回はいかに?

【ここまで無冠も泰然自若の姿勢は変わらず】

 出雲駅伝、7位。

 全日本大学駅伝、3位。

 ふつうなら、慌てそうなものである。

 しかし、青山学院大にとって箱根駅伝に向けての不安材料にはならない。むしろ、箱根に向けての安心材料が勝る。

 全日本のあと、原晋監督に「残り2カ月でやるべきことは?」と質問をすると、涼しい顔で、こんな答えが返ってきた。

「これまで培ってきた、青学メソッドを粛々と進めるだけ。それ以上でも、それ以下でもないです」

 青学大の年間計画において、あくまで箱根駅伝がターゲット。10月の出雲、11月の全日本はその過程にある大会。やるべきことは見えている。だからこそ、それほど慌てる必要はないという構えだ。

 泰然自若。それが青山学院大の姿だ。

 青学大の最大の安心材料は、2区にキャプテンの黒田朝日(4年、岡山・玉野光南)が控えていること。前々回は2区で区間賞を獲得し(タイムは1時間06分07秒)、総合順位を9位から2位へと引き上げ、前回は区間新に相当するタイムで(区間3位)、10位から3位へと反攻のきっかけを作った。

 つまり、1区がどんな展開で来たとしても、黒田が必ず上位に引き上げてくれるので、前後の選手たちが安心して走ることができるのだ。

 前回の黒田のタイムは、1時間05分44秒。今回は区間新記録の更新(東京国際大のリチャード・エティーリが持つ1時間05分31秒)、そして1時間4分台への突入にも期待がかかるが、黒田自身は飄々としたものだ。

「(11月の)MARCH対抗戦の10000mで自己ベストもマークしましたし、自分の走力は上がっているので、チャンスはあるかと思います。タイムが出るかどうかは、どちらかといえば気象条件とか、コンディションによると思います」

 黒田は間違いなく3区の選手に、上位でたすきを渡すだろう。