◆全国高校駅伝(21日、たけびしスタジアム京都発着)
九州勢は男女とも入賞(8位以内)を果たせなかった。
1989年に女子が始まり、男女とも開催されるようになってからは初めて。76回目の男子は九州勢が過去22度優勝し、37回目の女子も7度制してきた「駅伝王国」だけに、関係者たちは一様に危機感を募らせた。
男子の九州勢最上位でゴールした鳥栖工は2時間3分38秒。佐賀県勢の最高記録(2時間4分12秒)を更新しながら、2年連続の入賞にわずか2秒届かなかった。「(レースが)高速化して簡単にはいかない。熱心さ、一生懸命さだけでは届かないレベルの戦いになっている」。鳥栖工の古川昌道監督は全国との差を痛感した。
男子上位2校が大会新をマークし、女子も優勝した長野東が歴代2位のタイムを出した今大会。古川監督が高速化に一役買っていると指摘するのが、箱根駅伝に出場する関東の強豪大学による「記録会」だ。大学自体のレベルが年々高まり、記録会も高速化。強豪の高校生たちも参加し、大学や実業団ランナーにもまれることで好記録を出し、レース勘も磨いて自信をつける選手が増えた。
昨年準優勝した大牟田(福岡)から今春集団転校した鳥取城北の選手たちも日体大などの記録会に通っており、今大会は4位に入賞。しかし九州からの遠征は他地域と比べて費用や移動の負担が大きく、古川監督は「連れて行くとなると…。悔しいし、九州は駅伝どころで何とかしなければ」と頭を悩ませる。
関東の大学記録会には女子も準優勝した大阪薫英女学院や4位の仙台育英(宮城)、5位の埼玉栄などが参加。16位に終わった筑紫女学園(福岡)の長尾育子監督は「いろんな所に出るチームが活躍している。九州内だけでは少し刺激が足りないかも」と認め、10位だった神村学園(鹿児島)の有川哲蔵監督も「考え方を変えないといけないという時期に来ているのでは」と危機感を募らせる。
一方、九州学院(熊本)を男子の強豪に育て上げた雄進監督は「逆に考えすぎて今までのやり方を否定するのは良くない。信じてやっていく姿勢を崩さないこと」と強調する。
男子の九州は兵庫県勢の優勢が続いていた約40年前、禿監督の呼びかけで毎年夏に熊本県阿蘇市や水上村で合同合宿を実施するように。鳥栖工や7度の優勝を誇る小林(宮崎)、優勝5回の大牟田などが参加し、昨年は大牟田の2位を筆頭に4校とも入賞した。
長尾監督も「参加できる(近隣の)大会で結果を出し、モチベーションをつくっていくしかない」と説く。「駅伝王国」が伝統を守るか、新たな一手を打つか。岐路を迎えている。(伊藤瀬里加、前田泰子)
【OTTO】
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「駅伝王国」に危機感 史上初の男女九州勢入賞ゼロ 高速化の波に遅れ 「一丸」の伝統か新たな一手か【全国高校駅伝】
引用元:西スポWEB OTTO!


