男子ハンマー投げ、21歳・遠山莉生が自身初の60メートル超でV 東京デフリンピック

引用元:産経新聞

東京デフリンピック第6日は20日、大井ふ頭中央海浜公園陸上競技場などで行われ、陸上男子ハンマー投げで遠山莉生(りき、筑波大)が60メートル19で金メダルに輝いた。森本真敏(日神不動産)が2位、前回覇者の石田考正(EYストラテジーアンドコンサルティング)が3位となり、日本勢が表彰台を独占した。

■欠場続出…異例の事態に動ぜず

6人が欠場する異例の事態にも動じなかった。遠山は1投目、2投目とプラン通りに記録を伸ばし、3投目で自身初めて60メートルの大台を突破した。両手を何度も突き上げ、喜びを爆発させた21歳の新星は「60メートルを超えた感触がなかった。周りの応援のおかげで飛んだ。表彰台独占の中で1位が目標だった」と会心だった。

先天性の難聴を抱える。東京都立中央ろう学校時代に世界記録保持者の森本に誘われ、ハンマー投げの道に進んだ。すぐに頭角を現し、全国高校総体にも出場。森本も通った強豪・筑波大に進学した。

■コミュ力も競技力もアップさせ

聴者の中に入ってぶつかった壁がコミュニケーションだった。大山圭悟・投擲(とうてき)コーチによると、入学当初は周囲の支援が足りないと不満を持っていたという。森本の指導もした大山コーチは「森本は口話にもたけていた。その基準があったから『もっと支援を、という姿勢ではやっていけないぞ』と厳しく伝えた」。

遠山は口の動きや表情から言葉を読み取る「口話」の技術を磨き、接する学生も手話を習得。今では学生とよどみなく〝会話〟するようになった。「競技もコミュニケーションも力が付いた」と目を細める。

春には社会人になる遠山は森本の世界記録63メートル71を見据える。「森本さんは大学4年に63メートルを投げた。来年2月、シーズンインの試合で世界記録を出したい」と力を込めた。(石原颯)