◆全国高校駅伝福岡県大会男子(2日・嘉麻市嘉穂総合運動公園周辺コース=42.195キロ)
昨年の全国高校駅伝で準優勝だった大牟田は新体制で初の駅伝となり、2時間16分44秒の11位だった。
今春に駅伝部コーチが退任して鳥取城北の監督となり、選手の大半も同校に転校。唯一残った佐々木奏多主将(3年)は6区を走ったレース後、涙を流した。
関係者へあいさつをする佐々木主将の頰を涙がぬらした。1年生に加え、トラック&フィールド種目が専門の陸上部から八種競技と400メートル障害の選手も出走し、全国制覇5度を誇る伝統のたすきをつなぎききった。「4月からいろんなことがあって、すごくいろんな意味で注目されるチームで、皆、すごくプレッシャーがあったと思う」と語りながら激動の1年を思い返し、さまざまな感情が込み上げてきた。
「1区の森(遥人、1年)がいい流れでたすきをつないでくれて、陸上部の2人は引退して言い訳とかもあったと思うけど、自分たちの練習に一生懸命付き合ってくれて、こうしてたすきをつなぎきって、一つ、形にすることができた」
部員のほとんどが鳥取城北に移った中、佐々木が残る決断をしたのは、競歩が専門種目で、転校すると全国高体連の規定で全国高校総体(インターハイ)に出られなくなるためだった。チームメートが去った春先はたった1人に。今まで大勢で練習することが当たり前だっただけに、「1年生の入寮までは孤独感を感じた」。新しい環境への適応にも苦労し、「自分の選択が正しかったか、正しくなかったか、正直答えが出せない時期があった」と振り返る。
「後悔しても意味はない。正解になるようにやるしかないと鳥取に行ったメンバーも、自分も思っていたので、この選択を正解にするしかない」
強い決意を胸に、主将として磯松大輔新監督を支えながら競歩でインターハイに出場。その後は、駅伝に向けた練習に集中して取り組んだ。春には1年生も加入。当初から入学予定だった4人だけでなく、途中で新たに3人が加わった。陸上部未経験者もいたが、少しずつ練習に活気は増した。
もともとは駅伝での活躍を目指して名門・大牟田の門をたたいた。故障をきっかけに競歩に転向し、駅伝ではレギュラー入りを果たせなかった。「中学時代に思い描いた選手像ではないけど、駅伝を目標に大牟田に入学した。意味合いは違うけれど、かなえられてよかった」との思いがある。11位に終わった結果には「入賞は狙えると思ったので、駅伝は難しいと感じた」と悔しさもにじませる。1年間、ともに過ごした後輩たちには「ここから上がっていくしかない。1年生はもっともっと強くなる」とエールを送った。
卒業後は進学して競歩に専念する予定。「日本の競歩界は世界でも注目されているので、上の選手たちに追いつけるよう、一日一日を大事にして、活躍できる選手になりたい」。濃密な1年の経験を糧に、次のステージに進む。(伊藤瀬里加)
「鳥取のメンバーも自分も選択を正解にするしかない」集団転校の大牟田駅伝部 唯一残った主将は涙【全国高校駅伝福岡県大会男子】
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