<駅伝365>東海大・西出仁明監督「挑戦という言葉が好き」 駅伝新体制会見

引用元:毎日新聞
<駅伝365>東海大・西出仁明監督「挑戦という言葉が好き」 駅伝新体制会見

 東海大陸上部は8日、両角速・駅伝監督(59)が退任して総監督となり、西出仁明ヘッドコーチ(51)が昇格して駅伝監督となった4月からの新体制について、神奈川県平塚市で記者会見を開いた。

 西出監督は「『スピード東海』を復活させたい」と述べ、箱根駅伝で総合10位以内のシード権獲得を目標に掲げた。

 東海大は箱根駅伝で2019年に初の総合優勝を飾ったが、22年からシード権を逃している。25年は本戦出場を逃し、26年は12位だった。

 両角総監督と西出監督の主なコメントは次の通り。【江連能弘】

 ◇「公立高の教員だったので……」

 両角 箱根駅伝で優勝して以来、成績が右肩下がりになり、苦戦している状況を打開していかなければと考えてきました。

 低迷の要因にスカウティングの課題があります。

 現場の指導は西出先生にお願いする配置がベストと考えました。私はしっかり支えていきたと思います。

 西出 両角先生の「人間力なくして競技力向上なし」という精神的な柱を大事にし、私が強みと思っているスポーツ科学などの知見を生かして「スピード東海」を復活させたいと考えています。

 箱根駅伝はスピード化が進んでいます。その波に少し乗り遅れているところがあり、今いる学生、東海大に行きたいと言っている高校生に向けて、スピードの東海をもう一度アピールし、東海大に来て良かったと思えるような指導をしていきたいです。

 <西出監督はどのような人物、指導者ですか>

 両角 学生と向き合ってしっかりとした指導ができ、研究などを学生に還元できる。大学の指導者として、私の後継者としてふさわしいと思いました。

 <直近の目標は>

 西出 まずは(出雲全日本大学選抜駅伝で)シード権を獲得し、次年度以降、出雲の地に東海大学のユニホームを走らせること。

 そこからしっかり安定してシード権を獲得するチームにし、その先に、優勝や上位を戦えるようになっていければと思っています。

 <監督として節目を迎えたことは>

 両角 定年まであと5年ほどあり、そこまで監督をやっていく思いでいました。今年の第102回箱根駅伝では往路のチーム記録を出し、総合も優勝した時の19年に次いで2番目の記録でしたが、それでも(総合順位は)12番でした。

 驚くほど箱根のレベルが上がっている中、遅れてしまっていることを挽回、逆転していかなければいけないと考えました。

 チームの強化は「補強と育成」の2本柱だと思っています。そこの役割分担が少し中途半端で、私が両方をやっているところがあり、役割分担を明確にして、2本柱をそれぞれ、しっかりさせたいと思いました。

 「3大駅伝」を全て勝たせていただき、悔いはないかというと、なんとも言えないですけれども、一般的にはやり遂げたという見方もできるんじゃないかなと思います。

 また今度、学生がいい走りができることが大事かなと思っています。

 <「監督の後任に」と言われた時は>

 西出 正直、話をいただいた時は「少し考えさせてください」と伝えました。

 私も両角先生が最後まで、あと5年はやっていただけると思っていましたので、1回はお断りをしました。

 ただ、今先生がおっしゃっていたような経緯や思いを聞き、自分もチャレンジしたいと思いました。

 簡単にできるものではないですけど、チャレンジしたいなと思って引き受けました。

 <中期的目標は>

 西出 学生3大駅伝と言われていますが、やはり箱根駅伝が全てだと思っています。そこのシード権を安定して獲得していくことが一番にやっていかなくてはいけないことだと思っています。

 現状(ハーフマラソンで)63分30秒ぐらいで10人をそろえていくのが必要な条件かなと思っています。

 それプラス、山(山上りの5区と山下りの6区)ですね。

 そこがしっかり備わっていかないと、シード権獲得はなかなか難しいので、学生にもビジョンを見せました。

 目標は10位以内です。

 <スカウト活動はどのようにしたいですか>

 両角 狙った(選手の)ところに複数回足を運ぶことはイメージしています。高校生が大学を選ぶのは、いろんなポイントがありますが、やっぱり誠意が大事だと思います。

 うちの場合は専門のスタッフ、スカウトを置ける状況ではないので、私はしっかりと、そういうところをカバーしていきたいなと思っています。

 (箱根駅伝は)記録が上がっていると同時に、スカウトも含めた取り巻く環境もすごくレベルが上がっているというか、熱を帯びてていると感じます。

 (大学を)選ぶのは高校生本人であり、家庭だと思うので、魅力をちゃんと言葉で直接伝えていくことがすごく大事だと思いました。

 19年は補強がうまくいき、育成もうまくいったのを体験しています。

 今は補強がうまくいっていない。そのためには監督の肩書を外し、足しげく通って、志や能力の高い選手を連れてくることに情熱を注ぎたいと思っています。

 <福井の公立校の教員から箱根駅伝を目指すチームの監督になりました>

 西出 僕は挑戦という言葉が好きです。

 高校の教員だった、関西の大学でやってきた人間が箱根に挑戦することを含めて、本当に日々挑戦だと思います。

 私も長距離をやっていたので関東の大学に行きたいと思っていましたけど、あまり強い選手ではなく、無縁でした。

 公立高校の教員だったので、そんな(箱根を目指す監督になる)ことは到底実現しないだろうと思っていました。

 教員として選手を(箱根に)送ることが最初の目標でした。

 それが監督にまでなってしまった。

 今、楽しいです。学生と向き合う時間はすごく充実していますし、いい組織を作っていけば、いいチームになって、そしていい選手が入ってくると思うので、いい組織を作っていきたいです。

 ◇もろずみ・はやし

 東海大出身。実業団を経て1995年から長野・佐久長聖高の監督となり、全国屈指の強豪に育てた。2011年から東海大の駅伝監督に就任し、19年の箱根駅伝で初の総合優勝に導いた。

 ◇にしで・のりあき

 神戸学院大出身。2003年から母校の福井・美方高で教員を務め、男女とも全国高校駅伝に導き、14年から東海大でヘッドコーチを務めた。