第102回箱根駅伝では、過去最高の総合2位でフィニッシュした國學院大。1区の青木瑠郁、7区の高山豪起とエース格の4年生がいずれも区間賞を獲得するなど、要所で見せ場をつくり、これまで鬼門となってきた5区でも明るい希望が見えた。青山学院大の3連覇に大きく貢献した黒田朝日(4年)の陰に隠れてしまったものの、1年生の髙石樹は区間4位と好走。待ちに待った逸材のクライマーが出現した。
【食い下がる勢いで走っていたので】
冷たい風が吹く小田原中継所で肩をぐるぐる回し、國學院大の襷を待っていた。1年生の髙石樹にとっては、初めての箱根路。任されたのは5区である。難所の山上りはタイム差が開きやすく、総合成績にも大きな影響を及ぼす。重要区間の責任は感じても、脚がすくむようなことはない。肝が座っている"土佐っ子"の顔には、不安の色など見えなかった。いつものように白いキャップを後ろ向きに被り、表情を引き締める。3位で3年生の辻原輝から思いの乗った襷をもらうと、闘志があふれてきた。
「後ろから青学大の黒田さんが来るのはわかっていましたが、負けたくなくて。もう絶対に追いつかれないように走ってやろうって」
前田康弘監督には5km付近で追い抜かれると思われていたが、いい意味で予想を裏切る。大平台の7km地点での計測では区間4位ペース。序盤から力強い走りでラップを刻み、チーム順位は依然として3位をキープする。背中から足音が迫ってきたのは9.7km過ぎ。横に並ばれると、フレッシュグリーンはすいすいと駆け上がって行く。それでも、簡単に置いていかれるつもりはなかった。ぐっと歯を食いしばり、必死に背中を追う。
「食い下がる勢いで走っていたので」
抜かれたあとも、1kmほどは黒田を視界に捉えていたという。異次元の速さに絶望を感じるよりも楽しさを覚えた。ずっと戦ってみたいと思っていた相手のひとりである。入学時から花の2区に思いを馳せたのも、大学トップレベルのランナーたちが集うから。まさか5区で顔を合わせるとは思っていなかった。
【箱根駅伝2026】國學院大に出現した次の「山の神」候補 1年生・髙石樹の快走と強心臓「4年目には黒田(朝日)さんを超えたい」
引用元:webスポルティーバ


