国際オリンピック委員会(IOC)が、6月に女性初の会長に就任したコベントリー会長の下で新設した「女子種目の保護」に関する作業部会の議論の行方が注目されている。男性として生まれ、女性を自認するトランスジェンダー選手の五輪女子競技への出場について、「禁止の方向」で検討しているとの報道が相次いだ。IOCは「未決定」としているが、新たな方針はミラノ・コルティナ冬季五輪前の来年初頭にも発表される、と取り沙汰されている。
トランス選手の女子競技出場が議論されるのは、身体的な違いから女子選手が不利になったり、格闘技などで危険が及んだりする恐れがあるためだ。
2028年にロサンゼルス五輪を開催する米国では今年2月、トランプ大統領がトランス選手の女子競技への参加を禁じる大統領令に署名。IOCは参加ルールの整備を各競技の国際団体に委ねており、コベントリー氏は6月のIOC会長就任時に「もう少し主導的な役割を果たしたい」と話していた。
9月、IOCは女子種目の保護をテーマとする作業部会の設置を発表。コベントリー氏は、作業部会に「全てのスポーツに適用される方針」のとりまとめを期待している。
スポーツ界では、ボクシングと陸上の世界選手権で性別確認のための遺伝子検査が導入されている。世界陸連は9月の東京大会で女子種目出場の全選手に検査を義務づけたが、遺伝学的に「男女の区別にはグレーゾーンがあり、くっきり分けられるものではない」(順天堂大の福典之教授)など、課題もある。
IOCは参加ルールの整備を各競技の国際連盟に委ねる際、男性ホルモンのテストステロン値の抑制を条件としてきた。今回、IOCが「禁止の方向」と最初に伝えた英紙タイムズ電子版によると、作業部会に対して専門家が「テストステロン値を下げる治療を受けたとしても、男性として生まれたことで身体的な優位性が残る」と報告。科学的根拠が示されたとして、IOC委員から禁止に肯定的な意見が出ているという。
トランス選手の五輪女子競技への参加 IOC初の女性会長の下で是非議論、年明けに結論か
引用元:産経新聞

