引用元:毎日新聞
◇第62回九州実業団毎日駅伝(3日、大分県佐伯市)
◇優勝=三菱重工(8年ぶり3回目)
ルーキーとは思えぬ度胸でラストスパート勝負を制した。
最終7区(13・9キロ)の終盤。三菱重工の新人、小林大晟は黒崎播磨の細谷恭平、クラフティアの福本真大とともに先頭集団を形成し飛び出す機会をうかがっていた。
中継所で2位に5秒差のトップでたすきを受けた。「先輩が『貯金』を作ってくれた。集団になってのラスト勝負を想定して、中盤まではその『貯金』をうまく活用して余裕を持った走りができた」。狙いを定めたのは残り約2キロ地点。カーブを曲がった直後の上り坂だった。
「スピードがあるタイプではないので仕掛けるなら上り。一度出たらためらうことなく一気に」。イメージ通りに2選手との差をぐんぐん広げ、最後は2位に5秒差をつけてフィニッシュ。8年ぶりの九州王者に導いた。
長崎・鎮西学院高、帝京大出身。学生時代はラストスパートが苦手だったが、入社後に松村康平監督の下で「終盤の切り替え」をテーマにラスト1周やラスト1本を重視した練習を重ねた。松村監督は「半年かけてようやく終盤にレースを動かす力がついてきた」とたたえた。
この日は補欠に回った井上大仁らベテラン、中堅の存在感が大きなチームにとって、新人の好走は新風を吹かす明るい材料だ。松村監督は「例年はマラソン練習に取り組むベテランに引っ張られて周囲が状態を上げる。今年は若手や中堅がどんどん練習の先頭に立って、自信をつけて来年元日を迎えてほしい」と期待する。
ベテランと若手が融合して相乗効果が生まれた先に、悲願の全日本初制覇が見えてくる。【角田直哉】


