箱根駅伝優勝を狙う早大の「山の名探偵」工藤慎作「5区は好きではない」 それでも「今年、負けた分、走らなければならない」

引用元:スポーツ報知
箱根駅伝優勝を狙う早大の「山の名探偵」工藤慎作「5区は好きではない」 それでも「今年、負けた分、走らなければならない」

 箱根駅伝で中大(優勝14回)に次いで2位の優勝13回を誇る早大が17日、夏合宿を行っている新潟・妙高高原で合同取材に応じ、「山の名探偵」の愛称を持つ工藤慎作は、学生ラストシーズンの3大駅伝と、その後のマラソンにかける強い意気込みを明かした。

 工藤は箱根駅伝では1年から3年連続で山上りの5区を担い、6位、2位、3位と好走した。人気漫画「名探偵コナン」の主人公・工藤新一と名前が似ており、眼鏡をかけた風ぼうから「山の名探偵」の愛称を持つ。今年1月の箱根駅伝では2位でタスキを受けると、先行する中大を逆転し、一時は首位に立ったが、終盤、驚異的な区間新記録をマークした青学大の「シン・山の神」黒田朝日(現GMOインターネットグループ)に逆転された。「悔しい結果になりました」と振り返る。

 しかし、その約2か月後の東京マラソンでは日本学生歴代4位となる2時間7分34秒と力走し、MGC(28年ロス五輪マラソン日本代表選考会、27年10月3日、名古屋)の出場権を獲得した。「陸上選手としてマラソンが一番の目標です」と工藤は明言する。来年、MGCの前に大阪マラソン、東京マラソン、ボストンマラソン、ロンドンマラソンのいずれかに出場を予定している。

 そのため、夏合宿ではチーム練習とは別メニューで走り込む日々を過ごしている。花田勝彦監督(55)は「工藤の練習は質もスピードも次元が違います」と太鼓判を押す。

 28年ロス五輪からマラソン日本代表選考で新たに「ファストパス」が設けられ、27年3月までに指定大会で男子は2時間3分59秒、女子は2時間16分59秒を突破した最上位選手は、MGCを待たずに代表に内定する。ハーフマラソン(21・0975キロ)で1時間6秒の自己ベストを持つ工藤は「ハーフマラソン1時間前後の選手はマラソン2時間4分は可能性があると思います。ファストパスは不可能ではありません」と冷静に話す。

 日本代表としてロス五輪のマラソンに出場することを大きな目標に掲げるが、その前に早大の一員として学生ラストシーズンにかける思いも強い。

 箱根駅伝の5区について「あまり好きではありません。800メートルも上るのはどうかしています。別競技としてとらえています」と苦笑いで話す。その一方で「箱根駅伝で5区は重要です。今年、負けた分、しっかり走らなければならない」とチームの切り札として強い覚悟を示した。

 今季の早大は、今年1月の箱根駅伝で1区7位の吉倉ナヤブ直希(3年)、3区8位で今季急成長の山口竣平(3年)、4区区間賞の鈴木琉胤(るい、2年)、6区6位の山崎一吹(4年)、9区2位の小平敦之主将(4年)、そして、工藤ら好選手がそろう。

 さらに、昨年12月の全国高校駅伝1区(10キロ)で区間賞の増子陽太(福島・学法石川)、同2位の新妻遼己(はるき、兵庫・西脇工)、同3位の本田桜二郎(鳥取城北)が今春、そろって早大に入学した。「1年生は素の能力が高い。日本を背負って立つ選手になるでしょう」と工藤は、柔らかな笑みをたたえながら話した。

 花田監督は「夏まではトラックなど個人の目標を優先し、夏以降は箱根駅伝総合優勝、3大駅伝で結果を出すというチーム目標を優先しています」とチームの方針を説明した。

 「(今季は)勝負できる年。勝ちたい。3大駅伝では全部、区間賞を取りたいですね」。工藤は冷静な表情で、熱い思いを明かした。有言実行するために、妙高高原で走り込む日々が続く。