故郷の千葉県いすみ市の海で3人乗りの水上バイクが転覆し、乗っていた17歳の女性が行方不明になっている。昔よく遊んでいた場所で起こった事故。夏休みに入り、「相次ぐ水の事故」との見出しを見るたびに胸が痛くなる。
日本には1万4000を超える大小の島々があり、沿岸部も細かく入り組んでいるため、国土面積の割に海岸線が長い。日本の総海岸線は約3万5600キロで、中国の約2倍、オーストラリアや米国をしのぐ世界6位の長さ。つまり、水に近い場所で生活している国民が多いのだ。
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そんな日本では、ほとんどの人が学校の授業で水泳を習っている。笹川スポーツ財団が2024年8~9月に実施した「スポーツ振興に関する全自治体調査2024」によると、回答があった1140市区町村のうち、93.4%は「すべての小学校で実施している」という結果だった。
半世紀ほど前になるが、私も岬町立(現いすみ市立)中根小学校のプールで25メートル泳げるようになるまで、ずいぶん水を飲んだことを思い出す。何とか泳げたものの水泳は向いていないと悟り、陸上の道へ進んだ。それから30年後、おいっ子からプールに誘われたときに、「行こう!」と返事ができたのは水泳の授業のおかげなのだ。
水泳の授業は体力向上のためだけではなく、川や海での水難事故から命を守るためにも重要だと思う。しかし先日、ショッキングなニュースが目に入った。スポーツ庁の発表によると、全国の公立中学校の22.8%が昨年度、水泳の授業を取りやめたとされ、その要因は「暑さ」や「プールの老朽化」だという。
1964年東京五輪前に12%だった公立小学校のプール設置率は、61年に制定されたスポーツ振興法に基づく国の補助金によって75年に50%を超え、2018年度には94%に達している。韓国におけるそれは1%程度だから、日本がいかに水泳の授業に力を入れてきたかが分かる。
文部科学省は学校施設の改修について、耐震化、防災機能、バリアフリー、トイレの洋式化、空調設置などを重点的に推進してきた。プールの改修は優先順位が低くなってしまったのだろう。プールの老朽化により、水泳の授業ができなくなることに歯止めをかけたい。
水泳授業の縮小を憂う 国土の特徴からも「水を正しく怖がる」教育は重要 増田明美 スポーツ一刀両断
引用元:産経新聞

