引用元:産経新聞
日本オリンピック委員会(JOC)と日本パラリンピック委員会(JPC)は30日、2月に開催されたミラノ・コルティナ冬季五輪で35万件以上の誹謗(ひぼう)中傷が疑われる書き込みがSNSやニュースサイトで確認され、うち1913件を削除要請したと明らかにした。アスリートを傷つける社会的な問題に向き合い、安心して競技に専念できる社会を目指すプロジェクト「RESPECTion!(リスペクション)」の理念を広げる重要性が高まっている。
2025年度から始まったアスリートの誹謗中傷対策事業をまとめた報告書内で公表。会見したJOC理事でプロジェクト推進委員でもある谷本歩実氏は「誹謗中傷の実態をデータで把握できたのは大きい」と意義を強調した。
今年の冬季五輪では国内と開催地に拠点を設置し、対応に当たった。人工知能(AI)やスタッフが、誹謗中傷の可能性のある投稿計35万5975件を抽出、弁護士が内容を精査し削除要請を行った。実際に削除に至ったのは578件だった。
削除要請した投稿内容も分析し、感情的な罵倒や人格攻撃が該当する「侮辱型」が1332件と最多。社会的評価を低下させる「名誉毀損(きそん)型」276件、「性的中傷・セクハラ型」247件-などと続いた。翌月のパラリンピックで誹謗中傷が疑われた投稿は2032件、削除要請は0件だった。
昨年9月に行われた陸上世界選手権東京大会と比較すると、侮辱型や名誉毀損型の割合が高く、偏見や差別に基づく投稿が低い。谷本氏は「大会や競技特性によって傾向があることが分かった。今後の対策に向けた基礎情報を得られた」と話した。


