引用元:産経新聞
今秋の愛知・名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた陸上日本選手権第2日は13日、名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで行われ、男子100メートル決勝は多田修平(住友電工)が10秒17で制し、アジア大会の代表入りを決めた。
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軽やかにゴールに飛び込んだ男子100メートルの多田は右拳を何度も振り下ろし、ほえた。2021年東京五輪代表を決めた日本選手権以来、5年ぶりの頂点に「五輪以来、自信が持てないレースばかりだった。ようやく多田修平という名を背負って堂々とレースに挑むことができるのではないか」としみじみと語った。
得意の切れ味鋭いスタートが帰ってきた。好調の桐生祥秀(日本生命)を横に従え、一気に飛び出した。19歳の西岡尚樹(筑波大)も食い下がったが、最後までリードを与えず「先行逃げ切りのスタイルが実現できた」とうなずいた。
東京五輪後は「どん底」を味わった。モチベーションが上がらない日々が続き、ようやく気力が戻ってきたところでふくらはぎを肉離れするなど思うようにいかなかった。厚底スパイクにも苦戦し、昨年9月の世界選手権東京大会の参加標準記録を狙ったレースでは「まとまりがいい」と薄底を履くこともあった。満足に走れるようになったのは昨年の秋ぐらいから。苦悩を経て再びつかんだ日本最速の座は「涙が出るぐらいうれしかった」と汗を拭った。(石原颯)


