多田、5年ぶり最速の称号 悔しさ晴らす快走―陸上日本選手権・男子100メートル

引用元:時事通信
多田、5年ぶり最速の称号 悔しさ晴らす快走―陸上日本選手権・男子100メートル

 パロマ瑞穂スタジアムに歓喜の雄たけびが響き渡った。

 男子100メートル決勝。多田は5年ぶりに日本最速の称号に輝き、「涙が出るぐらいうれしかった。すごく感慨深い」。何度も両手をたたいて喜びを爆発させた。

 得意のスタートで低く鋭く飛び出し、中盤の加速で抜け出した。最後は横を向きながら胸を突き出し、西岡の追い上げを振り切った。「自分の先行逃げ切りのスタイルを貫けた。今年一の走り」。10秒17でアジア大会の切符を勝ち取り、胸を張った。

 世界室内選手権などの代表には選出されていたが、屋外の主要大会で日の丸を背負うのは2021年東京五輪以来5年ぶり。同五輪後はモチベーション低下や度重なるけがに苦しみ、「本当にどん底にいた」。昨年の世界選手権東京大会は、歯がゆさを抱えながらテレビでレースを見詰めた。「代表になれていない年数が長過ぎる。自分の中で許せない」。その悔しさを晴らした。

 諦めずに努力を続け、低迷期を乗り越えた29歳は「やっと自信を取り戻すことができた。しっかり9秒台を出して、勝ち切りたい」。秋はアジア最速の座を目指し、スタートラインに立つ。