競歩女子元日本代表の岡田久美子さん、「女性指導者」として挑む悲願のメダル

引用元:時事通信
競歩女子元日本代表の岡田久美子さん、「女性指導者」として挑む悲願のメダル

 五輪3大会連続出場、数々の日本記録樹立。約10年にわたり陸上の日本女子競歩界をけん引した岡田久美子さん(34)が昨秋、現役を引退した。今春、LOCOK陸上クラブの監督に就任。指導者として歩み始めた。9月開幕の愛知・名古屋アジア大会女子マラソン競歩代表の梅野倖子(23)=LOCOK=を指導。女性特有の悩みや精神面に寄り添うきめ細やかなサポートを強みに、自身が果たせなかった五輪や世界選手権のメダリスト育成という夢を抱いている。(時事通信運動部 青木貴紀)

 「女性の指導者が女性アスリートを育てるという一つの新しい挑戦。ルールにのっとって美しく、速く、強く歩く選手を育てたい。その姿を見た子供たちに勇気や元気を届けたい」。4月に東京都内で行われた記者会見で、力強く決意表明した。

 埼玉県出身の岡田さんは日本選手権20キロで2020年まで6連覇するなど計7度優勝。世界選手権はけがのため欠場した23年を含めて6大会連続で代表入りし、19年は20キロで6位に入った。24年パリ五輪は混合リレーで川野将虎(旭化成)と組んで8位。日本記録は現在も35キロや10キロなど4種目で保持している。

 パリ五輪で入賞を果たし、「応援してくれた人たちの前で最後の恩返しをしよう」と25年9月の世界選手権東京大会の20キロを集大成のレースに決めた。沿道には学生時代の友人や恩師ら数え切れないほどの知人が駆けつけ、「同窓会みたいな感じだった」。心に響いたのはゴール直前に競技場に入るところで、観客からかけられた「これまでありがとう」という言葉。歩きながら思わず感極まった。

 ゴール後は五輪、世界選手権を通じて日本女子競歩界初メダルとなる銅を獲得した藤井菜々子(エディオン)から「岡田さんがいてくれたから、ここまで来られました」と感謝の言葉をもらって号泣。メダルを首から掛けてもらい、「言葉が出ない。歴史的な一日になって、私も続けてきてよかった。よくここまでやったなと思う」。充実感いっぱいの表情で、選手としての長い旅を終えた。