大迫傑(リーニン)が保持していた日本記録を更新しても、井川龍人(旭化成)と柴田侑(城西大)は、ともに悔しさを隠さなかった。
「セイコーゴールデングランプリ(GGP)陸上2026東京」が、 5月17日にMUFGスタジアム(国立競技場)で開催。男子3000メートルでは、7分38秒98の森凪也(Honda)が優勝を飾り、2位に7分39秒36の井川、3位には7分39秒51の柴田が入った。3人は、いずれも2014年に大迫がマークした7分40秒09を破った。
レースはペースメイカーを務めたリチャード・エティーリ(東京国際大)が、1000メートルを2分33秒、2000メートルを5分07秒の好タイムで引っ張った。エティーリの離脱直後に、果敢に前に出たのが柴田だった。その後、井川は背後に迫っていたものの、最終周の第3コーナーで4番手だった森が一気にスピードを上げ、直線で2人を抜いてフィニッシュした。
試合直後に取材に応じた井川と柴田は、今も日本マラソン界をけん引する大迫のタイムを上回った喜びよりも、勝つための仕掛けのタイミングの反省が上回っていた。
柴田は2000メートル時点での走りを「本当は、あそこで前に出てはいけなかったんですけど、余裕があったので少し興奮して出てしまいました」と振り返る。そして「(櫛部静二)監督からいつも『ラスト勝負なら絶対にためろ』と言われているので、今日は失敗です」と肩を落とした。
また最後のスパートの強さに定評のある井川は「ラスト120メートルからのスパートは、誰にも負けない自信があります」としつつ、「余力がなくて、120メートルから出ずに最後まで引き付けて『ギリギリで出よう』と考えたのが、強気ではないレースになったので、それが敗因です」と分析。「あそこでは皆がキツいので、強気に出ていれば何かが変わったと思います」と後悔を口にした。
そんな2選手は今後の目標は6月に行なわれる日本選手権5000メートルでの優勝を掲げた。昨年覇者の井川、2位だった森、今シーズン急成長を遂げた柴田に加え、他の強豪選手も黙ってはいないはずだ。
取材・文●野口一郎(THE DIGEST編集部)
大迫傑の日本記録を更新も…男子3000m“敗者”2選手が反省「前に出てはいけなかった」「強気でないレース」【セイコーGGP】
引用元:THE DIGEST


