◇第13回木南道孝記念陸上競技大会(大阪・ヤンマースタジアム長居)
女子10000mでは田中希実選手(豊田自動織機)が31分41秒22のタイムで優勝。レース後には、「気持ち的に万全ではなかった」と胸の内を涙ながらに語りました。
先頭集団が1000m3分08秒のペースで進み、田中選手は最後尾に位置。中盤はややペースが落ちていく展開となります。8000mでペースメーカーが外れると、田中選手がペースアップ。31分41秒22でまとめ、5000mパリオリンピック代表の樺沢和佳奈選手が32分08秒39の2着で続きました。一方、アジア大会の派遣設定記録(31分14秒63)には届きませんでした。
優勝にもうかない様子の田中選手。「ここ数か月は、まず気持ち的に万全ではなかったんですが、練習だけはできていた。練習通りならもっと記録が出ていた。気持ちの部分の怖さがあったので、勝てたことは久しぶりの自信になったんですけれど、まだまだ自分の最終目標としている。世界にはほど遠い」とレースと振り返ります。
1500mや5000mなどで日本記録を持ち10000mでも日本歴代7位の記録を持つ田中選手ですが、4日の『ゴールデンゲームズ in のべおか』の5000mでは自己ベストから大きく遅れ、16分台と苦戦。今回は短い間隔でレースに出場することを選びました。
“気持ち的に万全でなかった”の意味について聞かれた田中選手は、「去年からダイヤモンドリーグなどで世界で打ちのめされる経験が増えて、世界選手権で払拭できたらよかったんですけれど、自分の中では吹っ切れたレースではなかったので、それをずっと引きずったまま気持ちの切り替えがつかないまま、どうせ自分はという思いを抱えたままインドアなどをこなしていた」と昨季からの胸中を告白。
試合をキャンセルすることも考えたといいますが、「辞める勇気もなくて、どっちつかずで中途半端な時間を過ごした。その間もなんとか仲間が声かけをしてくれて、父は何度も諦めていたんですけれど、その中で最後の最後に父が手を差し伸べてくれることがあったおかげで、私ももう一回頑張ろうとなった」と支えくれた父や仲間の存在に感謝を込めました。
インタビュー中は時折、涙で言葉をつまらせる田中選手。「私は今までレースにたくさん出ることで気持ちを立て直すスタイルだったんですけれど、今シーズンはそれが裏目に出ている。自分はレースに出ればなんとかなるだろうってところの甘えで、いつの間にかレースに出たいという気持ちを見失っていた。いつの間にかまた出なければならないと変わってしまった。本当はこんな幸せなことはないんですけれど」と気持ちの変化を口にしました。
それでもこのレースを通じて、「改めてタイムとか関係なく、全ての選手がスタートラインに立つまでの準備、ゴールまで走りきることの偉大さを感じられた。だからこそ私は走らなければならないじゃなくて、私自身のためにも、走ってくれるみんなのためにもと思って、今日は走り切れた」と力強く語りました。
今季は9月にアジア大会が開催。今後に向けて、「父とは今シーズン、アジア大会がキャリアにとって大事だと話していて、そこでしっかり戦っていくことが世界で戦っていく上で大事なあしがかりになる。それ以外に海外の遠征があるので、今日勝てたので、しっかり自分を信じて、走れる喜びを感じて試合に出たい」と前を向きました。
田中希実 優勝も明かした胸の内「気持ち的に万全ではなかった…」 インタビュー中に涙も【陸上・木南記念】
引用元:日テレNEWS NNN


