白井出身のデフ陸上選手・田井さん 母校の中学で講演 千葉

引用元:朝日新聞
白井出身のデフ陸上選手・田井さん 母校の中学で講演 千葉

 千葉県白井市出身で、聴覚に障害のある陸上競技選手の田井小百合さん(46)=前橋市=がこのほど、母校の白井市立七次台中学校で講演した。自身の経験をもとに「目標に向かい、少しずつでも前に進んでください」と話した。

 田井さんは、小学5年で陸上競技を始め、中学3年生のときに100メートルハードルで全国優勝。成田高校、筑波大に進学し、全国トップクラスの選手になった。

 順風満帆な競技生活だったが23歳で右耳が聞こえなくなった。30歳で引退した直後には左の聴力も失った。

 その後、耳が聞こえにくい、聞こえない人たちの国際大会「デフリンピック」に出合い、2010年に聴覚障害者としてハードル競技を再開。13、17、22年の各デフ大会に出場した。

 ハードルで力を出し尽くしたと思った中、25年に東京でデフリンピック開催が決まり、棒高跳びへの転向を決意した。

 だが、思わぬ事態に。

 日本代表に内定したが、大会直前、競技が行われないことが決まった。参加国数が基準に満たなかったのが理由だった。

 失意のどん底に落ち、一時は種目転向したのが間違いだったのかと思ったが、棒高跳びの魅力に改めて気づいた。

 年齢が上がっても、工夫して練習を続けると記録が伸びる。「まだまだできるという気持ちになっている」という。

 だから、生徒たちにこんなエールを送った。

 「努力した時間と経験は無駄にはならない」(斎藤茂洋)