桐生祥秀6年ぶり2度目日本一へ「最後の10メートルを焦らずにゴールすればいける」序盤の走り手応え

引用元:スポーツ報知
桐生祥秀6年ぶり2度目日本一へ「最後の10メートルを焦らずにゴールすればいける」序盤の走り手応え

◆陸上 日本選手権 第1日(1日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)

 男子100メートル準決勝で、前日本記録保持者の桐生祥秀(24)=日本生命=は10秒27(向かい風0・3メートル)の1組1着で、2日の決勝に進んだ。予選でも全体トップの10秒21(向かい風0・3メートル)の4組1着と好走し、今大会へ改善に取り組んだレース序盤の走りにも手応え。6年ぶり2度目の日本一へ、充実ぶりを印象づけた。準決勝2組では、19年ドーハ世陸代表の多田修平(24)=住友電工=が10秒23(無風)の1着。

 動じない強さが際立った。桐生は準決勝のスタート直後にバランスを崩したが、「落ち着いていけば、着順(1着)も取れると思ったので焦らずにいけた」。すかさず加速して中盤以降は先頭を引っ張り、同じ9秒98の自己記録を持つ小池祐貴(25)=住友電工=を0秒01、距離にして約10センチ差で振り切った。「日本選手権だから出るからにはしっかりいく」。日本初の9秒台スプリンターとして、トップは譲れなかった。

 予選も向かい風条件ながら全体トップの10秒21をマーク。「予選は良かった。やってきた練習は出せた」と手応えを深めた。この日は不利な向かい風に加えて、気温も20度前後と少し肌寒く、短距離には悪条件。午後7時30分から行われた準決勝の約1時間前には、冷たい雨も降った。「気温も落ちてきたので体を温めて、けがをしないように走った」。今季10秒0台を連発してきた好調を保ったまま、6年ぶり2度目の日本一へ冷静に歩みを進めた。

 変化を恐れない。今大会に向けては、スタート時に両足を乗せるブロックの間隔を数センチ広げた。前後の脚が広がることでお尻の高さが下がり、スタート姿勢も低くなる。土江寛裕コーチは「低く、力強く出れるように工夫した。ギアでいえば、2速で出ていたのを新たに1速を作ったという感じ」と話す。静止した状態から、安定した加速局面につなげる最初の1、2、3歩を磨いた。今大会は五輪選考に直結しないこともあり、「思い切った変化をつけられる」と土江コーチ。全ては来夏の東京五輪本番を見据えてのことだ。

 決勝は今季10秒03に自己ベストを伸ばし4年ぶりVを目指すケンブリッジ飛鳥(27)=ナイキ=が最大の敵になる。中盤から後半の走りに定評あるライバルだけに、「決勝は中盤と後半の伸びも実現したい。しっかり最後の10メートルを焦らずにゴールすればいける」。競り合う中で貫く平常心は、世界に挑む来季に必ず生きる。(細野 友司)報知新聞社

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