元日本記録保持者・森長正樹コーチが語る橋岡優輝の日大4年間、今季世界最高となった8m29の要因とメダルへの道筋

引用元:4years.
元日本記録保持者・森長正樹コーチが語る橋岡優輝の日大4年間、今季世界最高となった8m29の要因とメダルへの道筋

日本大学の橋岡優輝(4年、八王子)は自身最後のインカレ走り幅跳びで、8m29(向かい風0.6m)の大会新記録をマークし、2年ぶり2度目の優勝をなし遂げました。この記録は今季世界最高記録であり、リオデジャネイロオリンピックの銅メダル記録と同記録。元日本記録保持者である森長正樹コーチに橋岡の日大4年間を振り返りながら、この記録の要因とオリンピックや世界陸上でのメダルを見据えての思いを語ってもらいました。

向かい風の中での8m29は予想以上

――橋岡選手が8m29(向かい風0.6m)を記録した4回目は、どんな跳躍だったのですか。

森長:助走の出だしは出力の大きい筋肉を使って、地面の奥の方を押せていました。中間はリズムを意識しすぎてスピードに乗らなかったり、記録を狙うあまり脚を回しすぎて(ピッチを強調しすぎて)余裕のない助走になったり、どちらかになりがちなんですが、8m29の時はきちっとリズムをとりながらも、思い切ってスピードが出る助走ができていました。大会記録の8m09は超えてほしいと思っていましたが、まさか向かい風で8m29を出せるとは思っていませんでした。

――助走の最後から踏み切りへのつなぎ方はどうでしたか?

森長:4歩前の位置を我々(コーチや陸連科学委員会)がチェックしていますが、踏切板から9m50の距離でした。向かい風だと9m50は少し遠いのですが、8m29の時は板に半分くらいしか乗っていません。それでも最後はしっかり刻んで、その結果、跳躍の高さも出ていました。あれが追い風1mくらいで9m50なら、もう少し素早く刻めてもっと記録が狙えたと思います。

――8月23日のセイコーゴールデングランプリでは7m96(向かい風0.1m)でした。日本インカレとの違いは何でしたか。

森長:初戦ということもあって助走のリズム、加速の感じをつかめていませんでしたね。東京オリンピック前に国立競技場で跳躍ができるのは、セイコーゴールデングランプリ1回だけかもしれない。地面の反発やグリップ感など、サーフェスをチェックすることに意識がいき過ぎていました。4月に100mの自己記録も大幅に更新してスピードも上がっているので、昨年と同じ感覚で走っても微妙にずれていたのかもしれません。珍しいことに4本もファウルをしましたから。そこからトレーニングで修正してきました。微妙なずれなどが修正できて、日本インカレがいい風になったら8m20~30は確実に出るだろうと思いました。

――向かい風での8m29ですから、予想以上ということになります。

森長:そうなんです。2本目の8m06(向かい風0.2m)の時に、これだったら風がなくても8m20台にいくかな、と感じました。向かい風0.2mでしたが、助走で体を起こした時に一瞬かもしれないですけど、橋岡は2mくらいの向かい風を感じたと言っています。4歩前の距離がかなり遠くて9m80くらいでした。その距離で向かい風なら間延びした走りになってしまい、7m60~70くらいの記録になっても不思議ではありません。計測ミスかなと思ったくらいです。次ページは:昨年の世界陸上で8位入賞、上位選手と自分を比べ

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