五輪マラソンコースを記者がチェック!北大構内ジグザグが鍵

五輪マラソンコースを記者がチェック!北大構内ジグザグが鍵

 【TOKYO2020カウントダウン】

 新型コロナウイルスの影響で来夏に延期された東京五輪に関連する選手や、気になる事象を掘り下げる連載(随時掲載)の第7回は、北海道・札幌市内で行われるマラソンコースに迫る。1991年世界選手権男子マラソン金メダリストで本紙評論家の谷口浩美氏(60)が勝負のポイントに挙げた北海道大学(北大)構内のコースを、本紙記者が現地でチェックした。(取材構成・武田千怜)

【写真】昨年9月のMGCに出場した大迫ら

 心地よい風に乗って、夏の緑の香りが漂う。日曜日の昼下がり。1992年バルセロナ五輪8位、96年アトランタ五輪19位の谷口氏が「東京五輪のマラソンの勝負どころ」に挙げた北大キャンパスに足を運ぶと、一般の人々が芝生の上にシートを敷き、食事を楽しむ光景が広がっていた。来夏には世界のトップランナーが集結し、熱い戦いを繰り広げる場所とは思えないほど、ゆっくりと時間が流れていた。

 東京五輪のマラソンコースは、猛暑対策などで東京から札幌に舞台が移された。20キロを1周、約10キロを2周する周回コースで、北大の構内は3度も通過する。谷口氏が「(構内は)曲がり角が多い。しっかり道を把握しておかないと(バルセロナ五輪の)僕みたいにこけちゃうよ」と冗談交じりに話した特徴的な道がキャンパスに近づくと見えてきた。100~200メートルおきに、右に、左に曲がらなければいけない。

 大学構内は約2・1キロを駆け抜ける。ジグザグ道は、北大に入る直前の緩やかな右カーブから始まる。右折して約100メートル進むと、大学の入り口。ここを直角に左へ。約200メートル直進すると、3個目の曲がり角が待つ。右折後、約180メートルで左折。約110メートル先の5個目の曲がり角で右折し、約180メートル直進。6個目の緩やかなカーブで左へ。その30メートル先にある7個目の角を曲がるとメインストリートに入り、「少年よ、大志を抱け」の名言を残した札幌農学校(現北大)の初代教頭、クラーク博士の胸像に向かって、並木道を1キロ強直進する。

 木々が生い茂っており、爽やかな風が吹く。暑さをしのぐには絶好だが、道幅は約7メートル。一般道と比べると狭い印象で「集団の中、トップスピードで走る選手はスピードの維持が難しいのではないか」と感じた。

 谷口氏は勝負のポイントに、この曲がり角の攻略を挙げた。「海外の選手は切り替えがうまい。一度、スピードを落としてもすぐに上げられる。日本の選手はスピードの切り替えを苦手とするため、集団での位置取りが大事。ペースを上げ下げする練習を入れ、準備することも結果につながる」。

 ジグザクの道は20、30、そして勝負どころの40キロ地点の直前にある。五輪のマラソンは花形種目。難所となる北大構内の攻略が、金メダル獲得の鍵になるかもしれない。

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