ナイキ厚底「1強」に待った。五輪延期で激化、シューズ開発競争。

引用元:Number Web
ナイキ厚底「1強」に待った。五輪延期で激化、シューズ開発競争。

「1強」を覆すことはできるのか、流れを変えられるのか――。

 近年、ランニングシューズの世界に大きな動きを生み出したのはナイキだ。

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 2017年5月、フルマラソンで2時間を切ることを目指すナイキのプロジェクトで、リオデジャネイロ五輪男子マラソンで金メダルを獲得したエリウド・キプチョゲが2時間0分25秒の記録を達成した。非公認ではあったが、世界記録を大きく上回るタイムが大きく報じられた。

 それとともに注目を集めたのがキプチョゲら挑戦者が履いていたシューズだった。いちばん厚い底は4cmもあったからだ。

従来は「薄く、軽く」が主流だったが……。

 従来、「薄く、軽く」が主流であったシューズの常識を覆し、驚きをもたらしたのがナイキによる「ズーム ヴェイパーフライ 4%」だった。

 カーボンファイバー製のプレートを搭載するなどしたシューズでの好記録が続出したことで、厚底シューズの潮流が出来上がっていく。

 国内外のトップランナーがナイキのシューズを手にし好記録を出したのもそうだが、箱根駅伝でナイキのシューズを履くランナーがずらっとそろった光景は、象徴的だった。

 好記録が相次いだことから、ワールドアスレティックス(国際陸上競技連盟からの改称)が靴底を4cm(40mm)以下とし、カーボンプレートを1枚までとする規約を設けた。

 しかし今年3月、それをクリアする「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」をナイキは発売。今なお多くのランナーからナイキの厚底シューズが支持を受けているという現状だ。

 ただ、他のメーカーも手をこまねいていない。

ミズノの新製品は薄底で反発力あり。

 7月1日、ミズノが長距離用シューズ「ウエーブデュエルネオ」を発表した。今年1月の箱根駅伝で、10区の区間新記録を樹立した嶋津雄大(創価大学)が着用していた試作品の完成版となる製品だ。

 目をひいたのは、靴底の厚さが従来と変わらない、いわゆる薄底であったことだ。

 その中にあって、こだわったのは反発力。開発した新たな素材を用いることで、反発力が約35%上がったという。

 リオデジャネイロ五輪4×100mリレーで銀メダルを獲得した飯塚翔太が言う。

「最大の特徴は反発力です。疲れたときに足が上がってくれます。(靴底の)厚さもないので、感覚を繊細に感じられます」

 薄底にこだわった理由は、飯塚の言う「感覚」にある。

 また、ナイキ製品の場合、フォームを合わせる必要性もあるという指摘も出ていたが、フォームを変える必要がないように、という意図も薄底となった理由であるとミズノは説明する。次ページは:アシックスやアディダスからも。

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