医師合格で五輪挑戦 広田、コロナ禍の葛藤越えて―陸上

引用元:時事通信
医師合格で五輪挑戦 広田、コロナ禍の葛藤越えて―陸上

 今春、医師国家試験に合格しながら、アスリートとしての社会人生活を選んで走り始めた陸上選手がいる。2019年の日本選手権で女子800メートル5位の広田有紀。秋田大医学部を卒業したが、出身の地元で新潟アルビレックスRCに加入した。来夏に延期された東京五輪を視野に入れつつ、自らの可能性に挑戦する。

【写真】眼科の実習を行う広田有紀

 新潟高2年の時に国体で優勝。3年で全国高校総体を制した。競技は高校で区切りをつけるつもりだったが、先輩に誘われて大学でも継続。医学部生として試験や臨床実習などをこなしながら、自ら練習メニューを考え男子選手と汗を流した。「時間との兼ね合いで、追い込み過ぎない6~7割の練習量が合っていた」
 多忙な大学6年間では、冬に十分な練習を積めなかった。「継続して練習ができれば、もっとタイムを伸ばせそう」。18年日本選手権で自己最高の2分4秒33をマークして4位に入った後にそんな思いが湧き上がり、卒業後は研修医になるのを先送りして競技に打ち込むと決意した。

 母親は眼科医で実家は診療所。幼い頃から身近だった医師を自然と志した。今年3月に国家試験に合格。新型コロナウイルスが流行し、「今こそ医師が求められているのに、これでいいのだろうか」と葛藤もあった。将来は産婦人科医か女性アスリートに寄り添える医師になりたいと思っているが、まずは21年まで速さをいちずに追い求める。

 26歳で迎える東京五輪は「通過点の一つ」として出場を目指す。競技者として飛躍するその先に、強く思い描く夢も。「24年パリ五輪に母を連れていきたい」。 

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