東京五輪、21年7・24前後開幕 安倍首相とIOCバッハ会長合意

 安倍晋三首相(65)が24日夜、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)と電話で会談し、新型コロナウイルス感染拡大を受けて7月24日開幕予定の東京五輪を1年程度延期することで一致した。政府関係者によると、丸1年後の開催で調整しているという。五輪の延期は史上初めてで、パラリンピックも延期となる。バッハ会長は同日のIOC臨時理事会で、延期が正式承認されたと明らかにした。

 4年に1度のスポーツの祭典が史上初めて周期をずらして開催される異常事態となった。安倍首相はIOCのバッハ会長との電話会談後、厳しい表情で取材に応じた。

 「おおむね1年程度延期することを軸として検討していただけないかという提案をした。バッハ会長から、100%同意するという答えをいただいた」

 五輪が戦争で中止になった例は複数あるが、延期は史上初めて。「東京2020」の大会名称は維持されることになった。政府関係者は延期幅について「丸1年延ばすことになるだろう」との見方を示し、札幌でのマラソン開催は動かさないと述べた。

 会談後、IOCは臨時理事会を開き、21年夏までに五輪を開催することを承認した。「聖火は日本にとどまる」とも発表。開催日程は大会組織委員会とIOC調整委員会が協議するとした。

 記者団から1年程度とした理由を問われた安倍首相は「感染症の広がりの状況を見る中で、年内は難しいだろう」と説明。「新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして完全な形で東京五輪・パラリンピックを開催するために、バッハ氏と緊密に連携していくことで一致した」とも強調した。首相は25日にもトランプ米大統領と電話会談を実施する方向で調整に入った。

 1年後の延期に向けて、調整は徐々に進んでいた。世界陸連が来年8月6-15日に米オレゴン州ユージンで開催予定の世界選手権について、日程調整に入った。声明で「既に(ユージンの)大会組織委員会と話し合いに入っている。必要なら日程を変更しても、開催できるように努力すると聞いている」と述べた。

 巨大イベントの延期で、スポーツ界のみならず各方面に甚大な影響が及ぶのは避けられない。会場や宿泊施設、ボランティアの確保、各競技の国際大会との日程調整などが課題になる。さまざまな困難を乗り越えて、来夏に向かって一歩ずつ進んでいく。

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