藤井菜々子、試合後の涙は初めて 20キロの東京五輪代表に 競歩能美大会で初優勝

引用元:毎日新聞
藤井菜々子、試合後の涙は初めて 20キロの東京五輪代表に 競歩能美大会で初優勝

 東京オリンピック代表最終選考会を兼ねた全日本競歩能美大会が15日、石川県能美市の市営コースで行われ、女子は昨秋の世界選手権7位入賞で20歳の藤井菜々子(エディオン)が1時間33分20秒で初優勝し、20キロの東京五輪代表に決まった。

【1位でフィニッシュし抱き合って喜ぶ藤井菜々子】

 何度も泣いたが、試合後に涙を流すのは初めてだった。代表選考会を控えた今年に入り、けがをした藤井菜々子(エディオン)は「戸惑いと焦りで、2カ月間は苦しい期間だった」と心境を明かした。

 派遣設定記録は既にクリアしており、目的は勝つのみだった。しかし、1月上旬に右脚付け根付近に炎症が起こり、追い込んだ練習を始めたのは2月半ば。自己ベストを出した時の状態からすると7、8割程度だが、他の出場選手との力の差があった。5キロからペースを少し上げて徐々にふるい落とし、最後の渕瀬真寿美(建装工業)との一騎打ちも17キロ手前でサングラスを取り、ピッチを上げて振り切った。

 福岡県出身。北九州市立高に進学後は駅伝で都大路を目指したが、けがをしてトレーニングの一環で競歩に取り組むと顧問に適性を見いだされた。昨年の世界選手権で7位入賞するなど順調に結果を残してきた。

 そこへきてのけがだった。指導する小坂忠広さんは「周囲は練習内容への批判などいろいろなことを言うし、本人もけがをしたことを悔やみ、何度も泣いていた」と振り返る。ただ、こう続けた。「すごくいい経験になる」と。腰回りが柔らかく、腰の位置が高い。天性のものに加え、精神力と集中力の高さがあり、伸びしろ十分の20歳だ。練習の負荷を上げてオリンピックへ挑む。【荻野公一】

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