大迫傑、男泣き日本新!五輪決定的…3強争い制した

大迫傑、男泣き日本新!五輪決定的…3強争い制した

 「東京マラソン」(1日、東京都庁~東京駅前)

 東京五輪代表選考会を兼ねて行われ、日本記録保持者の大迫傑(28)=ナイキ=が自身の記録を21秒更新する2時間5分29秒で日本人トップの4位となり、五輪代表入りを決定的にした。自身2度目となる日本実業団連合からの報奨金1億円も手にした。8日のびわ湖毎日マラソンで、大迫のタイムを上回る選手が出なければ、大迫の代表入りが決まる。“3強”とみられていた前日本記録保持者の設楽悠太(28)=ホンダ=は2時間7分45秒で16位、18年アジア大会金メダリストの井上大仁(27)=MHPS=は2時間9分34秒で26位だった。

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 目標として公言していた優勝ではない。表彰台も逃す4位でのゴール。それでも最後の直線で日本記録、そして五輪切符を確信すると、感情が爆発した。何度も拳を振り上げ、最後は激しく咆哮(ほうこう)し、ゴールテープを切った。「9月から非常に苦しい戦いだった…。山あり谷ありだったが、日本記録を更新して、五輪に一番近いポジションを取れて良かった」。男泣きに暮れた。

 日本記録保持者の大本命として挑んだ2019年9月のMGC。終盤で競り負けて3位。五輪内定を決められず、自身の日本記録を上回る選手がいなければ代表入りという“半端な”立場に立たされた。

 その後は立て続けに苦悩が襲った。同10月には所属していたナイキ・オレゴン・プロジェクトのヘッドコーチだったアルベルト・サラザール氏が禁止薬物の売買や使用があったとして資格停止処分を下され、チームは閉鎖。指導を受けるピート・ジュリアンコーチとケニアなどに練習拠点を移した。今年1月には使用しているナイキの厚底シューズに規制が掛かる可能性が浮上。自身のツイッターで「どっちでも良いからさっさと決めてくれーい!」とつぶやくなど、フラストレーションのたまる日々だった。

さらに速くなる

 それでも自分を信じ、走りですべてを吹き飛ばした。規制を免れたナイキの新厚底シューズで挑み、20キロ過ぎに2時間3分台のペースで突き進んでいた先頭集団から遅れた。「自分のキャパシティー以上で走ってもつぶれてしまうだけ」。“3強”の一角だった井上の背中が離れ「駄目かと思った」。ただ、落ち着いて自分のペースを刻み続け、32キロで井上の集団に追いつき、余裕がないとみるや一気に突き放した。終盤は右わき腹に痛みを抱えながらも、日本人争いに終止符を打った。

 五輪切符はほぼ手中にした。夢舞台へ、厳しい現実はある。日本記録を更新してなお、完走した主要マラソンとしては初めて3位を外した。メダルを目指す中、世界との距離はまだ遠い。「自分が速くなることを追求している。まだまだ改善するところはある」。5カ月後の札幌決戦。見据える瞳が再びギラついた。