涙の理由は「内緒」 大迫傑一問一答 東京マラソン

引用元:毎日新聞
涙の理由は「内緒」 大迫傑一問一答 東京マラソン

 東京オリンピック男子代表選考会を兼ねた東京マラソンは1日、東京都庁をスタートして東京駅前に至るコースで行われ、大迫傑(28)=ナイキ=が2時間5分29秒の日本新記録で4位に入り、五輪代表入りへ大きく前進した。自身が2018年10月のシカゴ・マラソンで出した日本記録を21秒更新した。レース後、記者会見に臨んだ大迫の一問一答は次の通り。「新厚底シューズ」への感想や新記録を出したことで得る2度目の報奨金1億円の使い道などについて「大迫らしい」発言が飛び出した。【倉沢仁志】

【写真特集】高速レースを振り返る



 (会見場に拍手で迎えられる)

 ――レースを振り返っての感想を。

 ◆4番という順位ではあるんですけど、東京オリンピックに一歩近づくことができたので、よかったかなと思います。

 ――テレビのインタビューでは涙が印象的だった。どんな感情が湧き上がってきたのか。

 ◆いろいろな感情があったんですけど、まあ、その辺は……。ちょっとプライベートなことなので内緒にしておきます。

 ――22キロ付近で集団が崩れ、トップ集団と距離ができた時に考えたことと、日本記録に対する受け止めを。

 ◆あまり記録という部分は考えていなくて。それこそ最後の3、4キロくらいで「あっ、いけるのかな」と思ったくらい。ただ単に、離れた時もいかにリラックスして自分のペースで、もう一回、自分のリズムで立て直すかということを考えていて。結果的にそれで追いつけてよかったんですけど。「もう一回追いつくぞ」という気持ちより、「一回離れて、ちょっと休んで、自分のリズムで」という感じでした。

 ――非常に冷静なレース運びだったと思うが、「足を使ってしまった」という昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)との最大の違いは。

 ◆ペースが速かったので、比較的、後方でレースを見ることができたというのが大きかった。ペースが速い分、どっちがきつかったかと言われると、どっちもどっちというか……。その中で、MGCも頑張れたけど、今回も頑張れて、結果的に日本記録というものがついてきた感じですかね。

 ――1億円の使い道などは。

 ◆喜びというよりは、緊張感のあるレースを終えてほっとした部分が非常に強いかなと。使い道は、スクール(教室)という部分であったりとか、来年の(自身が主催する)大会の部分もある。ちょっと、どうなるかは分からないですけど、そっちの方に。自分自身のためにもですけど、これから育っていく必要がある選手のために使っていけることもあるのかなとは考えています。

 ――ケニアで合宿をして、高い標高での練習で自信がついたと2月28日の記者会見でも言っていたが、改めてケニア合宿の効果を。

 ◆何か練習を変えたわけではないが、より質の高い、ボリュームのある練習(ができた)。今までもそうだったが、一つ一つのマラソンごとに成長を感じられているので。それが今回たまたま記録という形で出た。何かを大きく変えたわけではなくて、本当に地道にやってきたという感じですかね。

 ――32キロ付近で集団に追いついた時にすぐに前に出た。集団の中にいた井上大仁選手(27)=MHPS=にダメージを与える意図はあったのか。

 ◆追いついてペースが遅かったというのと、あとは集団が井上選手も含めてきつそうな雰囲気だったので。ちょっとチャレンジをしてみようかなという感じで。いつもであれば、ちょっと後方で控えて休むんですけど。それこそケニアとかの練習の中で、1人で走る、1人で耐える、ということを学んできたので、残り10キロあったが、「いけるのかな」という手応えで走っていました。

 ――MGCの時はフォームがダイナミックになりすぎたかもしれないと。今回、修正は加えたのか。

 ◆練習の中ではもちろんランニングエコノミー(無駄な力を使わない効率的な走り)を意識しましたが、今回それができていたかというと、正直まだ分からない。レースも見返していないので、なんとも言えないというのが正直なところ。

 ――新型コロナウイルスの影響で沿道応援を自粛するという中でのレースだったが、それについての感想は。

 ◆ちょっと難しい質問で答えにくいんですけど……。ただ、僕自身のことだけを言うと、開催される以上はしっかり集中して臨みたいという、その思いがあっただけですね。

 ――追いついて、追い抜いた井上選手が大迫選手について「半端ない」と言っていた。

 ◆そうですね……。それとは全く関係ないが、あらゆる選手がMGCから東京マラソン、また1週間後にびわ湖毎日マラソンがありますけど、そういう中で緊張感を持って、それぞれのベストを尽くして、独特の緊張感やプレッシャーの中で一緒に走れた、一緒のスタートラインに立てたのは、僕にとってすごくこれからも価値のあることなのかなと。そういう選手に、そう言っていただけるのはうれしい思いです。

 ――靴について。以前は35キロ過ぎにも余力が残っていると言っていた。新作の厚底シューズで足の疲れや、走りなどで感じたことがあれば。

 ◆マラソンを42キロ走る以上、疲れがないとは言えない。またレースごとに終わった後の感じも違うので。じゃあ、どれだけシューズの効果があったのかというところは、まだ言いにくいところではあるんですけど。やはりナイキの新しい技術を使うことができるというのは、非常に僕らにとっては強みです。今後の時間の中で、どれだけこの靴というものが助けてくれたかということを考えていきたい。

 ――再び日本記録を更新した。世界との距離感はどう感じているのか。

 ◆普段から海外を拠点にやっているし、今回はケニアに行った。皆さんが思うような海外との差ということではなくて、ただ単純に自分が速くなっていく。それを追求していくということだけを考えている。結果的に今回は4番だったので、まだまだ改善点とか(ある)。まあ来週、びわ湖毎日が終わるまで分からないが、現時点で東京五輪に一番近い存在になれたので、その辺は改善して、まずは自分を信じて準備していきたいと思います。

フォローする