福士、あえて棄権 名古屋へ切り替え「もう一回、基準記録狙うしかない」/マラソン

 大阪国際女子マラソン(26日、ヤンマースタジアム長居発着)福士加代子(37)=ワコール=は、中間点を前に先頭集団から離脱。25キロ過ぎに2年連続となる途中棄権となった。けがなどはなく「名古屋ウィメンズマラソン」(3月8日)を見据えた勇気ある決断だったことを明かした。東京五輪代表の残り1枠へ、最後まで挑戦を続ける。一方、MGC3位の小原怜(29)=天満屋=は2時間28分12秒で13位に沈み、名古屋については「白紙」と話すにとどめた。

 25キロ過ぎ、福士の足が止まった。両手で大きくバツ印を掲げた。ただ、五輪への道に白旗をあげたのではない。最後の大一番へ向けた第一歩-。レース後、すでにその視線は名古屋へと向いていた。

 「スピードに乗れていなかった。先頭とも離れていたし。ちょっとどうかなと思って。ここから名古屋に向かって、次のスタートにしようかな。もう一回、名古屋で基準の記録を狙うしかない」

 2時間22分22秒の設定記録突破へ、予想通りのハイペース。歯を食いしばり先頭集団でくらいついた。しかし、20キロ付近から徐々に遅れ始める。中間点でその差は9秒。負けられないデッドヒートのなか、頭は冷静だった。22キロ付近で、沿道に向け「ごめん、やめるわ」とリタイア宣言。「名古屋ウィメンズマラソン」を見越した、勇気ある決断だった。

 昨年大会はほかの選手と接触して転倒。流血し、無念の途中棄権となった。それでも約1カ月後の名古屋に出場し、2時間24分9秒でMGC出場権を獲得した。

 くしくも昨年と同じ状況だが、今回は体に問題はなし。永山忠幸監督(60)は「名古屋に合わせて、ハーフマラソンを走ったという感覚。体に異常もないし(松田の好記録で)逆にお尻に火が付いたのでは」と奮起に期待。疲労回復次第、すぐに名古屋へ向けて練習を継続する。

 次なる目標は松田が記録した2時間21分47秒超えだが、福士は「どうすっかな。ぶるぶるですよ、もう。きょうより速いってことでしょ。でもやってみる、ですよね。がんばります」と武者震いだ。陸上では日本初となる5大会連続の五輪出場へ-。可能性が1%でも残る限り、福士は走り続ける。

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