“ナニワ名物”松田おかん、Vに感動「ありがとございや~す」/マラソン

 大阪国際女子マラソン(26日、ヤンマースタジアム長居発着)日本中が歓喜した松田瑞生(24)=ダイハツ=の歴史的快走。でも、世の中で一番喜んだのは母・明美さん(54)だろう。鍼灸師として娘を後方支援もする母は実家の棚を整理して、五輪のメダルを飾る準備を整えた。母は願っている。東京五輪での表彰台を。メダルを。

 歓喜のゴールで待っていたのは、やっぱり“あの人”だった。ヒロインに抱き着いた。今やナニワ名物、松田瑞生の母・明美さんだ。

 「イエーィ!」

 「感動、いただきました! ありがとございや~す」

 群がるテレビカメラすべてにハイ、ポーズ。娘と肩組み合ってVサイン。サービス精神はMAXだ。もちろん、レース中は何度も移動を繰り返し、沿道からガッツポーズで声援を送り続けた。

 「まだ、(五輪出場権が)どうなるか分からないです。でも、もし出られるなら、後出しジャンケンみたいなもん。だからこそ、しっかり力をつけて、みんなが『松田が走ってくれてよかった』と言ってもらえる状態で、レースに向かってほしいです」

 五輪で走ってもらいたい。母の願いだ。いや、本心はそれだけで満足しない。ナニワのスーパーおかんは、密かに“生涯最高の瞬間”を夢見て準備を着々と進めていた。

 松田が幼少のころ、明美さんは美容院を辞め、不要になった棚を処分することに。ところが、その行動を見ていた娘がいた。

 「これな、みーちゃんがメダルでいっぱいにしてあげるから捨てんでええで」

 かわいい娘のお願いに思いとどまった。やがて残した棚は、みるみるトロフィー、賞状で埋まっていった。「みーちゃん」が走るたびに好成績を残すから。突然思い立つと年末年始には、別の棚の本や雑誌を撤去して“増設”した。

 「1つはこの大会のメダル。もう1つは日本新記録を出した時のトロフィー。そして、真ん中は東京五輪のメダルを飾ることにしてるんですわ。きょう、頑張って走ってくれたから、1つは埋まりました。さあ、今年の夏には…」

 マシンガントークの母が、飲み込んだひと言。札幌を舞台に行われる真夏の東京五輪レースで、自慢の娘がメダルを取って、大阪の実家に持って帰ってくれたらいいな…。ナニワの母娘の物語、ふさわしいのはハッピーエンドだ。

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