すり抜けた五輪代表権 小原怜が志願の浪速路で涙/陸上

すり抜けた五輪代表権 小原怜が志願の浪速路で涙/陸上

 大阪国際女子マラソン(26日、ヤンマースタジアム長居発着)昨夏の東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」3位の小原怜(29)=天満屋=は、2時間28分12秒にとどまり13位に沈んだ。優勝した松田瑞生(24)=ダイハツ=に3枠目の代表争いで逆転を許し、最終選考会となる3月8日の名古屋ウィメンズの出場は「白紙」とした。

 終着点のトラックにたどり着いた矢先、ショックに襲われた。目に飛び込んだ電光掲示板。五輪代表入りに必要な記録を松田が破っていた。代表3枠目の争いでリードを奪っていた小原は、意気消沈した。

 「頭が真っ白。チャンスをつかめなかったのは自分の甘さです」

 病み上がりに加え、左アキレス腱には痛みがあった。17キロ過ぎで早々に先頭集団から離脱。中間点を折り返してから大きく口を開け、右足の小指の爪がめくれた。

 志願して臨んだ浪速路。途中棄権して名古屋ウィメンズに備える選択肢はなかったという。自己ベストを5分近く下回った。ゴール後は関係者に両脇を抱えられ、取材エリアでは質問に答える余力もなかった。

 出場を見送り、“3番手”として結果を待つ選択もできた。「五輪で戦うイメージを描けていなかった。それが形に表れた」と天満屋の武冨豊監督。名古屋ウィメンズ出場については小原が「白紙」とした一方、指揮官は「考えていない」。五輪代表の補欠に回る場合に備えて、強化を進める意向を示した。

 2016年リオデジャネイロ五輪は、切符までわずか1秒届かなかった。上位2人が代表に決まったMGCは3位で、2位とは4秒差。あと一歩で涙をのんできた。レース後に応援団のねぎらいを受けると、こらえていた悔し涙が頬を伝った。「勝負の世界は厳しい」-。自らに言い聞かせるように、声を振り絞った。

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