[箱根駅伝]本当の勝者はナイキ厚底靴?85%が着用・区間賞9人・7区間で新記録

 3日まで行われた第96回箱根駅伝では7区間で新記録が生まれ、多くの選手がナイキ社の厚底シューズを履いていたことが注目を集めた。着用率は出場210選手の約85%で、9区間の区間賞獲得者が使用。各大学の指導者からは「記録に影響しているのは間違いない」という声も相次いだ。

 話題になったのは、ナイキが2017年に販売を開始した「ヴェイパーフライ(VF)」シリーズ。超軽量ソールに炭素繊維のプレートを埋め込んだ厚底シューズで、クッション性や反発力を高めるとされる。18年にはVFを履いた設楽悠太選手(ホンダ)と大迫傑(すぐる)選手(ナイキ)が、男子マラソンで日本記録を更新した。

 特に昨年7月発売のタイプは、選手から「今までより反発を受けやすい」と好評で、世界のトップランナーから国内の実業団選手、市民ランナーにも一気に広まった。昨年末の全国高校駅伝でも多くの選手が使用した。青学大の原晋(すすむ)監督は「これまでのシューズはケガを防ぐ観点で進化してきたが、これは武器になっている」と指摘。同大の選手は昨季まで主に他メーカーの靴を履いていたが、今季は大多数がVFに切り替え、箱根駅伝2年ぶりの総合優勝を果たした。

 一方、VFは1足約3万円と高額。学生には経済面の負担が大きく、経済格差が成績に直結する恐れもある。海外では「シューズの性能が不公平な利益を生んでいるのではないか」と疑問の声が上がり、世界陸連が調査に乗り出すと報じられており、今後の「厚底」ブームの行方が注目される。

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