【箱根への道】日大23歳1年生・ドゥング「箱根で走りたい夢があった」高校で来日 一度は実業団の道も

引用元:スポーツ報知
【箱根への道】日大23歳1年生・ドゥング「箱根で走りたい夢があった」高校で来日 一度は実業団の道も

 第96回箱根駅伝(1月2、3日)で89度目の出場となる日大は、6大会ぶりのシード権獲得を目指す。一昨年2区区間賞のケニア人留学生・ワンブィが卒業した穴を埋めるのは、実業団を経て今年入学した23歳のケニア人1年生、チャールズ・ドゥングだ。将来のプロランナーを夢見て高校から来日。一度は社会人となったが箱根への夢を諦め切れず、大学進学を選んだ。将来は世界での活躍を目指すオールドルーキーが、初の箱根路に挑む。

 ドゥングは、静かな口調ながらも箱根路へ胸を躍らせた。「箱根は何回もテレビで見たことある。応援の雰囲気がすごい。自分の考えで、諦めることはできない」。23歳の1年生は、一度は実業団ランナーの道に進んだ。だが昨年、箱根への思いを胸に日大の門をたたいた。

 ケニア中西部ナクルの出身。16歳の時に「プロになって、家族のために」と北海道・札幌山の手高に陸上留学した。卒業後は小森コーポレーションに入社したが、4年目の18年はケガに苦しんだ。「(元日の)ニューイヤー駅伝も1回も出られなかった。やっぱり大学に入って、箱根で走りたい夢があった」。ケガをしない体作りを勉強したいという思いもあり、日大へ進学した。

 小森時代の4年間は、毎月10~15万円を実家に仕送りしていた。4年前に父が他界したが、貯金した約200万円で母国に30室のマンションを建て、その家賃収入で母と弟、兄3人、そして昨年8月に結婚したケニア人のアンネ夫人(20)を養っているという。箱根は2区での起用が濃厚だが「2年生からは山の神になりたい。ケニア(の出身の箱根ランナー)で山の神はいたことがない。アピールしたい」と、来年以降の山上りの5区を熱望した。大学で力をつけ、卒業後はプロランナーとして活動したいという夢がある。

 「長い距離には自信がある」と言い切れる裏付けがある。幼い頃は通学と放課後の水くみのため、一日約30キロを歩いて足腰を鍛えた。2区は上りもあり「結構きついコース」と印象を語るが「調子は上がってきている。坂は得意」と、動じる様子はない。

 1万メートルの自己ベストはチーム唯一の27分台。予選会も個人4位の力走で7位突破に貢献した。6大会ぶりのシード権獲得へカギを握る男は「区間賞を狙ってる。区間新近くでは走ります」。オールドルーキーが鮮烈デビューを果たせば、チームに勢いがつく。(大谷 翔太)

 ◆チャールズ・ドゥング 1996年2月20日、ケニア・ナクル生まれ。23歳。農耕民族のキクユ族出身。マサクワ中卒業後の2012年に札幌山の手高へ入学。全国高校総体5000メートルで3年連続2位。2、3年時は全国高校駅伝でともに3区3位。日大では19年の関東インカレで1万メートル2位、ハーフマラソン優勝。自己記録は5000メートル13分25秒32、1万メートル27分57秒36。169センチ、53キロ。

 ◆日大 1921年創部。箱根駅伝には22年の第3回大会に初出場。35年から4連覇を果たすなど歴代3位の12回優勝。出雲駅伝は優勝5回、全日本大学駅伝は優勝3回。タスキの色は桜色。長距離部員は選手63人、学生スタッフ4人。主な陸上部OBは俳優の和田正人、リオ五輪男子400メートルリレー銀メダルのケンブリッジ飛鳥ら。

報知新聞社

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