マラソン五輪代表・中村匠吾、札幌への会場変更「正直、複雑」 「暑さに強い」売りも…会場変更でパーに

引用元:夕刊フジ
マラソン五輪代表・中村匠吾、札幌への会場変更「正直、複雑」 「暑さに強い」売りも…会場変更でパーに

 もう頭の中には「銅」にかすることしかない。東京五輪男子マラソン代表・中村匠吾(27)=富士通=が12日、千葉で練習を公開した。

 50人近く集まった報道陣の関心はやはり、東京から札幌への会場変更。中村が「正直、複雑」と受け止めるのは、自他共に認める売りが「暑さに強いこと」だからだ。

 灼熱の東京を想定して2018年から本格的にトレーニング。今年9月の五輪代表選考レース、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)では30度近い暑さを味方につけ、終盤の粘り勝ちで内定を勝ち取った。

 ところが突然の“天の声”で東京対策は水の泡に。「札幌も暑くなるかどうかは、誰にも分かりませんからね」と話す中村に、「札幌にいい思い出はあるか」と尋ねると「実は…」と苦笑い。これまで公私ともに「一度も札幌に行ったことがないんです。(新)千歳空港(千歳市)に行ったことがあって。海鮮丼がおいしかったです。あはは、すいません」。この余裕の笑みは、自信の表れとみていいのか。

 日本の男子マラソン勢はとにかく世界で勝てなくなった。五輪でも長期低迷中で、92年バルセロナで森下広一が銀メダル(2時間13分15秒)を獲得以来、表彰台はない。

 中村の現実的な目標も銅メダルだ。昨年9月にベルリンマラソンでマークした自己ベストは2時間08分16秒。同10月に大迫傑(28)=ナイキ=がシカゴマラソンでたたき出した、2時間05分50秒には遠く及ばない。

 それでも中村は「札幌も暑いですから」と念じるように何度も口にした。頭にあるのは、東京五輪の札幌変更のきっかけになった、今夏の世界陸上ドーハ大会。酷暑のレースの優勝タイムは、デシサ(エチオピア)の2時間10分40秒だった。

 思えば、前回の東京五輪でも故円谷幸吉氏が銅メダルを獲得。中村は「準備と戦略を立てれば十分いける。一日も早くコースが決まってほしい。そうなればすぐに戦略を立てます」と力を込めた。生まれて初めて足を踏み入れる札幌で、“銅だ!!”と胸を張る準備に本腰を入れる。(夕刊フジ編集委員・久保武司)

フォローする