前半でリードしたい前回優勝の積水化学に対し、後半で逆転したい前回2位の資生堂。
両者の思惑が前日の区間エントリーではっきりした。クイーンズ駅伝in宮城2022(第42回
全日本実業団対抗女子駅伝)は11月27日、宮城県松島町をスタートし仙台市弘進ゴムアス
リートパーク仙台にフィニッシュする6区間42.195kmで行われる。
2強以外では田中希実(23)を1区に起用した豊田自動織機や、松田瑞生(27)と加世田梨花(23)を1、3区に配したダイハツなどが、前半型のオーダーで勝負に出る。5区にエース級を残したJP日本郵政グループ、エディオンなどは後半で浮上を狙う。
積水化学vs.資生堂 前半の焦点は3区終了時のタイム差
2強対決の様相が色濃くなった。
前回優勝の積水化学は1区に前回3区区間2位の佐藤早也伽(28)、2区はこの区間の2年連続区間賞の卜部蘭(27)、そして3区に2年前に3区区間記録をマークした新谷仁美(34)とつなぐ。3区で先頭に立ち、大きなリードを奪うレースプランだ。
積水化学・野口英盛監督は「理想は3区が終わって1分以上のリードです。30秒差だと追う側も詰まっていることがわかるのですが、1分差なら詰まっているか意外とわからないですから」と、前日の監督会議後に言及した。
対する資生堂は1区に、前回も1区で区間賞と同タイムの区間2位だった木村友香(28)を起用。豊田自動織機の田中希実(23)が区間賞候補だが、木村も19年世界陸上5000m代表で、5000mの自己記録も15分02秒48で田中とは4秒も違わない。木村としては中盤以降、田中とペースアップして積水化学・佐藤との差を広げたい。
2区が前回3区区間6位の佐藤成葉(25)、そして3区に東京五輪マラソン8位入賞の一山麻緒(25)を配置した。佐藤は1500mで4分22秒85のスピードもあるので、卜部に大きく引き離されることはない。
3区の一山は新型コロナに感染して7月の世界陸上マラソンを欠場。「取り戻すのに少し時間がかかった」(一山)と言うが、主要区間候補が多数いる中で3区に選ばれたのだから、状態は良くなっているのだろう。新谷に逆転されたり引き離されたりするのは仕方ないにしても、何秒差で4区につなげられるかが重要になる。
岩水嘉孝監督は「3区が終わった時点で30秒以内では抑えたい。逃がさないようにしないと」と監督会議後に話した。