陸上世界選手権 ディーン元気、10年ぶり国際舞台「ここまで戻ってこられた」

引用元:神戸新聞NEXT
陸上世界選手権 ディーン元気、10年ぶり国際舞台「ここまで戻ってこられた」

 陸上の世界選手権は15日、米オレゴン州で開幕する。2024年パリ五輪を目指す精鋭たちが覇を競う舞台には、兵庫ゆかりの選手も8人が名乗りを上げた。期待と誇りを胸に、勝負の時を待っている。

 雌伏の時を経て、男子やり投げのディーン元気(ミズノ、市尼崎高出身)が国際舞台に戻ってくる。「悔しい思いをしながら気がついたら10年。勝負できる自信があったからここまで戻ってこられた」と力を込める。

 今季は安定して80メートル超えの投てきを連発してきた。参加標準記録の85メートル00は突破できなかったが、世界ランキングで出場権を手に。指導する田内健二コーチはディーンの成長を「大人になった」と表現する。

 ロンドン五輪で右脇腹を痛めたことをきっかけにけがを繰り返し、長く低迷。17年は所属先のミズノに相談し、思い切って休養した。ここでけがが癒えたことで徐々に調子は上向き、20年には84メートル05をマークするなど復活を印象づけた。

 ただ、狙った試合になると結果が出せなかった。ディーンは「110、120%を出そうとして崩れることが多かった」と振り返る。昨年の日本選手権は80メートルに届かず2位に終わり、東京五輪出場もかなわなかった。

 苦い経験を糧に、今季は冷静な試合運びを見せる。5月の木南道孝記念では尻上がりに記録を伸ばし、最終6投目で81メートル91をマーク。日本選手権も10年ぶりに制し、田内コーチは「最初から一発を狙わず落ち着いて自分がやれることをできている」とうなずく。

 シニアで2度目の世界大会を前に、ディーンは「率直にうれしい、ワクワクしている。本番までの過程を存分に楽しみたい」と意気込む。自己ベストの84メートル28を更新すれば10年ぶりだが、記録は意識しない。「自分の技術に集中すれば来年の世界選手権、日本記録(87メートル60)、メダルもついてくる」。30歳、再び輝く時がきた。(今福寛子)