東京五輪マラソン・競歩開催地に札幌陸協会長「降って湧いた話だけど光栄なこと」

引用元:スポーツ報知
東京五輪マラソン・競歩開催地に札幌陸協会長「降って湧いた話だけど光栄なこと」

 20年東京五輪のマラソン・競歩開催地となった札幌陸協の志田幸雄会長(75)が5日、札幌市内でスポーツ報知の単独インタビューに応じた。大きな懸案が、大会組織委員会を中心に模索中のコース設定。〈1〉30年冬季五輪招致へ観光面のPR機会とすること〈2〉地下鉄網の発達した市内中心部を盛り込み、周回コースも選択肢として考えられること〈3〉積雪する12月までに一定のコース案をまとめること、の3項目などを語った。(取材・構成 細野友司)

 残り9か月を切った段階で、唐突に決まった札幌開催。志田会長は驚きつつも、招致を目指す30年冬季五輪へ弾みの成功を期している。

 「第一に、30年冬季五輪を招致する上で札幌の観光をPRする機会になる。大通公園、中島公園、時計台、北海道大学、(赤れんが)道庁というコースになれば、札幌市としても良いのではないか。私たちも、初めての大会を無事に開催できれば、今後の国際大会誘致に向けていい経験になる」

 最大の懸案はコース設定。北海道マラソンがベースになる見通しだが、現行コースをそのまま転用する形には否定的な見解を示す。

 「ベースになるのは北海道だけど、実際に全て使うわけにはいかない。一部修正して、札幌のメインストリートをどのように網羅するのか、ということになる。(往復13キロの)新川通りは一つのネックになるかもしれない。バスしか交通手段がなく、競技役員の配置や待機場所の問題がある」

 本紙陸上担当の記者は4日、北海道マラソンのコースを実走。警備や観客の利便性などを考慮し、周回コースの設定を提言した。12年ロンドン、16年リオ大会と同様、今回もコンパクトな周回コース設定を検討する余地はあるのだろうか。

 「(コースが長ければ交通規制のため)地域の足となっているバスの運行にも影響が出てくる。(市内中心部の)地下鉄の沿線上であれば一番いいし、実際にロンドン五輪でも周回をやったことがある。今回もそれが考えられるのであれば、可能性はあるだろう」

 コースを変更するのであれば、冬季招致につなげる上でも、多様な名所を盛り込む形が望ましい。現行コースに入っていない候補地は、どこがあるだろうか。

 「円山公園は陸上競技場もあり、12年まで開催されていた札幌国際ハーフで発着点になっていた。真駒内には、72年札幌五輪で使用されたスケートリンクもある。(山道になるので)大倉山のジャンプ台まで走るわけにはいかないが、大通を西までいけば、ジャンプ台も望める。札幌ドームの先には、(クラーク博士像のある)羊ケ丘もある」

 札幌では、自転車によるコース測定の大敵となる雪の季節も近づいている。山積する課題を一つずつ潰した先に、異例の形で決まった五輪レースの成功がある。

 「12月頃から雪が積もってくるので、それまでに一定のコース案を決めないといけない。3月下旬にならないと雪はとけないが、道路の改修や整備もしないといけない。さらに、暑さ対策。ミストなどを、どこにつけるか。雨天時の対応や、競技役員の配置や収容をどうするのかというのも大事になる。降って湧いたような話だけど、大変光栄なこと。最大限バックアップするのが、我々の立場だ」

 ◆細野記者の北海道マラソンのコース実走

 4日午前8時から午後3時過ぎまで、7時間超をかけて完走した。「コース中盤にある往復約13キロの新川通りは、川沿いで見晴らしもよく、景観は美しい。春には、桜並木も咲き誇るそうだ。平たんでもあり、市民マラソンで走るには絶好のコースだと感じた。北海道の豊かな自然をアピールする材料にもなるだろう。ただ、五輪開催となれば警備面や観客輸送など、懸案事項も増える。公共交通機関からの利便性を考えても、コースを縮小して、その分市内中心部を周回する設定が望ましいのではと感じた」

 ◆志田 幸雄(しだ・ゆきお)1944年5月10日、北海道・栗沢町(現・岩見沢市)出身。75歳。国士舘大では400メートル障害の選手。卒業後は教職に就き、札幌陸協専務理事、副会長などを歴任し18年から現職。

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